暴言・暴力・ハラスメントから 職員を守る段階的対応について、 医療法務弁護士が提案する書を刊行!

 

1956年東京都武蔵野市生まれ。1981年東京大学法学部卒業。1986年弁護士登録(東京弁護士会所属)。1989年井上法律事務所を開設。2004年医療法務弁護士グループ代表に就任。病院顧問弁護士、病院代理人などを務め、昨今の医療への司法介入に対し、医療現場をよく知る立場からMRICなどへの寄稿を通じ警鐘を鳴らし、医療関係者からも多くの支持を得ている。著書に『「医療事故調査制度」法令解釈・実務運用指針Q&A』(マイナビ)、『病院法務部奮闘日誌』(日本医事新報社)などがある。

このたび当社より刊行しました「暴言・暴力・ハラスメントから職員を守る段階的対応」は、すべての医療スタッフが、患者トラブルへの対応と法的知識の基本を理解するための書です。編著者である井上清成弁護士に本書のねらいを述べていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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地域ケアの今⑰

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

高齢者ケア施設における
業務の合理化の方向性を考える

文:鳥海房枝

 

平成30年度の介護報酬改定に向けた議論を耳にするようになりました。この中で介護現場の人手不足に絡めて記録物の膨大さも取り上げられ、その大幅削減をめざしているそうです。もし、それが実現すれば極めて歓迎すべきことです。

 

私が第三者評価で現場を訪問する際、使い道があいまいなまま何枚もの記録物にタイトルをつけ、それぞれに利用者の名前を書いて“分散管理”している実態を見ることが多くあります。なぜ記録物が増えたのかを職員に尋ねると、「行政指導(監査)で指摘された」という受け身な回答が多いのが事実です。さらに本当にそのように指摘されたのかを聞くと、「これまでの書類を見直さないまま、指摘されたことに応えていったら書類が増えた」という結果にいきつきます。
また、介護保険の加算要件も書類の増加を加速させているように感じます。例えば、「看取り介護加算」はそのよい例でしょう。

 

トシコとヒロミの往復書簡 第17回

本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

井部俊子さんから川越博美さんへの手紙

賢い消費者を増やそう

文:井部俊子

 

この記事が読まれるころには、2017年ももう最初の1カ月が終わっているでしょう。どうしてこんなに早く時が過ぎていくのでしょうか。と、ここまで書いて、そういえば以前に『なぜ年をとると時間の経つのが速くなるか 記憶と時間の心理学』(ダウエ・ドラーイスマ, 鈴木晶訳, 講談社, 2009.)という本を購入したことを思い出し、本棚から取り出して開いてみました。

 

フランスの心理学者ピエール・ジャネは、1877年に1年の見せかけの長さはその人の人生の長さと関係があると提唱しました。つまり10歳の子は1年をこれまでの人生の10分の1として経験し、50歳の人は50分の1として経験するというのです。

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病棟の「あるべき姿」を実現する 目標管理のポイントとは

 

原先生写真300

原 玲子さん
(はら れいこ)
宮城大学看護学部教授
盛岡赤十字看護専門学校卒業後、
仙台赤十字病院に勤務する。
手術室、整形外科病棟、外来の看護師長、
教育担当の看護副部長として看護管理の実践を行い、
2005年日本赤十字社幹部看護師研修センター教務部長として認定看護管理者教育に携わる。
日本赤十字社幹部看護婦研修所修了。
慶應義塾大学文学部卒業。
山形大学大学院医学系研究科看護学専攻修士課程修了。
2007年宮城大学看護学部准教授。
2010年より現職

目標管理の特徴の1つは、上位目標と下位目標のつながり(連鎖性)です。スタッフ1人ひとりが成長し、病棟の看護サービスの質が高まる目標の立て方などについて、新刊『看護師長・主任のための成果のみえる病棟目標の立て方 第2版』は詳細に解説します。

 

著者の原玲子氏に、本書の特色についてうかがいました。

 

 

 

――本書初版は2010年に発行されました。読者の方からはどのような感想が寄せられましたか。

以前から目標管理を導入している病院が多い中、看護現場をモデルに組織分析や目標設定の方法などを解説したテキストはほとんどなかったので、画期的な1冊になるかと思ってはいましたが、その反響の大きさには驚きました。「わかりやすい」「こういう本が欲しかった」

「私のバイブルになっている」など多くのご感想をいただき、目標管理というテーマに対する看護管理者のニーズの大きさを実感しました。

 

――この6年の間、病院を取り巻く環境は大きく変化しました。第2版で加筆・修正した内容について教えてください。

日本は世界に類のない超高齢社会となり、医療・介護の一体化したサービスが求められ、地域包括ケアシステムの構築が進んでいます。医療や看護は、病院完結型ではなく、地域と連携しながら自宅への退院を支援することが求められています。また、医療の高度化もめざましく、それに対応する看護がある一方、医学的な治療がすべてではないため、緩和ケアや老衰に対する看護等、看護の果たす役割は多様であり、看護を提供する場所も多様化しています。

 

第2版では、病棟の「あるべき姿」についての考え方を加筆し、医療を取り巻く環境の変化を受けて、外部環境要因と内部環境要因についての内容を刷新しました。

 

――特に「BSCの視点における主な看護サービスの成果指標(例)」は、読者の大きな助けになりそうですね。
全国の看護管理者の皆さんとお話をさせていただくと、「成果指標が浮かばなくて」という声を多く聞きます。私自身も、事例を提示するときなど成果指標の検討に時間がかかり、成果指標を探せるハンドブックのようなものが欲しいと思いました。そんな本があれば、忙しい現場で成果指標を検討する際の助けになるでしょうし、目標設定の質も高くなるように思いました。

 

そこで、科学研究費助成事業(基盤C)の助成を受けて「急性期病院において入院患者に提供する『組織的看護サービスの標準成果指標』の開発」に取り組んでいます。まだ途中の段階ですが、見えてきた指標について、その一部を第2版で提示させていただきました。

 

内容は、BSCの「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」の各視点と、ドナベディアンの「構造(ストラクチャー)」「過程(プロセス)」「結果(アウトカム)」の視点から目標を捉え、BSCの各視点の連鎖性を重視して整理をしたものです。特に、「顧客の視点」「財務の視点」は、「何をアウトカムに考えればよいのか」という質問が多いので、とても参考になると思います。

 

――新しい第6部では「サービスの特性からみた看護の達人の育て方」が解説されています。
看護職は、自施設のクリニカルラダー等に基づき、看護ケアの実践における達人を育成することは得意です。しかし、病む人を対象とする職務からみて、どんなときも看護師自身が品格ある行動をとれることは大切なことだと思いますが、現場ではそのような態度の側面に関する教育が不足しているように思います。

 

本書では、サービスの達人が持つ「カウンセラー」「メディエイター」「コンサルタント」「プロデューサー」「アクター」機能に着目し、Off-JT、OJTを重視して、現場だからこそできる育て方について展開してみました。

 

――最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

質の高い看護を提供するには、優れた看護職を育成することが必須です。しかし、何もしないと人材は育成されないので、教育する仕組みとよい看護を提供する仕組みが必要です。目標管理は、その2つの要素を持つ優れたマネジメント方式だと思います。その要が部署の目標設定です。本書がそのお役に立てれば幸いです。

 

病院のナースに、ぜひ読んでほしい! 「コミュニティケア」2016年11月臨時増刊号 『よりよい療養支援のために 「生活を支える看護」を考える』が刊行

「病院は忙しすぎて、退院する患者の“生活”が見えにくいのでは?」と感じているナースは多いと思います。では、患者・利用者の「生活」とは、どのようなもので、どう支えていけばよいのでしょうか? そして、なぜ病院では“見えにくい”のでしょうか?

訪問看護ステーションや特別養護老人ホームなど“地域”のナースのための専門誌「コミュニティケア」の2016年11月臨時増刊号では、今まで漠然と使われてきた患者・利用者の「生活」について、訪問看護師や高齢者ケア施設などのナースが密につながっている「生活を支える看護師の会」のナースたちの実践報告を基に考えていきます。

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