CC2014年5月号掲載【『めざせ! 開業ナース 地域での起業25の実際』が刊行】の紹介

〈C.C.Report PEOPLE〉
訪問看護に“プラスα”できる!
――『めざせ! 開業ナース 地域での起業25の実際』が刊行

 

村松先生お顔写真:CC5月号C.C

村松 静子さん Muramatsu Seiko
在宅看護研究センターLLP
代表

日本赤十字中央女子短期大学卒業、筑波大学大学院修士課程教育研究科カウンセリング専攻修了。1986年有限会社在宅看護研究センターを設立。日本で初めて看護職として起業した。以後、在宅看護の分野で第一線を走り続ける。2011年に第43回フローレンス・ナイチンゲール記章受賞。

 

〈本誌好評連載が待望の書籍化!〉

本誌2010年7月号〜2012年12月号に掲載した好評連載「めざせ!開業ナース」と関連特集を基にした『めざせ! 開業ナース 地域での起業25の実際』が刊行された。書籍化に当たって雑誌掲載後の状況も盛り込まれ、自ら起業し、在宅・地域でのサービス提供に“チャレンジ”する看護職の姿を紹介している。
本書では「経歴も起業のきっかけも異なるそれぞれの看護職が、どのような準備や経緯を経て、どのようなサービスを提供しているのか?」「周囲の人とどうかかわりながら事業を継続し、利用者や家族の思い・ニーズに応え続けているのか?」を生き生きと描いている。
監修者は“在宅看護の先駆者”こと村松静子さん。村松さんに、本書刊行への思いを聞き、内容や活用方法を紹介していただいた。

 

看護職起業の背中を押したい!

 

――本書刊行のきっかけは?
連載「めざせ! 開業ナース」にかかわったことです。全国各地の開業ナースの取り組み例を2年半にわたり紹介しました。どの取り組みも「素晴らしいな」「見事だな」と感じるものばかり。「在宅・地域でのサービス提供に取り組む“開業ナース”を応援するとともに、新たな“チャレンジ”を後押ししたい!」と思い、私自身のコメントを加えて本書をまとめました。

 

訪問看護に“プラスα”

 

――どんなサービスが取り上げられていますか?
本書では制度の枠内・枠外を問わず幅広いサービスを取り上げ、大きく3つに分類して紹介しています。
訪問看護や居宅介護支援などの「介護保険・医療保険サービス編」、訪問看護などに加え複数の事業を一緒に展開している「多機能サービス編」、医療・看護・介護用品の開発やワンコイン健診などの「新たなサービスの創造編」です。
――訪問看護に“プラスα”ができるのですね。
そうです。訪問看護の中で気づいた問題点の解決策として、または、ケアの質の向上のために、新たなサービスをプラスしていければとてもよいと思います。本書ではそのような事例も多く紹介しています。
――少し具体例を紹介していただけますか?
例えば、病棟勤務の後、独立して「原田訪問看護センター」を開業していた原田典子さんの場合、訪問看護をする中で「障がいの重い方(児)や人工呼吸器装着など医療依存度の高い方が生活の延長線上で泊まれる場所が必要だ」と気づき、訪問看護ステーションに看護の力を発揮するショートステイを併設されました。経営で難しい側面もあるでしょうが、“利用者の思いの実現”をめざしてスタッフ一丸で日々取り組みを続けておられる姿勢は、本当に見事です。
この他、「退院後の赤ちゃんと家族をサポートしたい」と乳幼児専門の訪問看護ステーションを立ち上げた元NICU看護師、「独立ケアマネジャーでいく」と居宅介護支援事業所を立ち上げた元訪問看護師、夏期はバリアフリーの宿を運営し、それ以外の時期は夫婦で訪問看護という“2足のわらじ”を履く看護師などを紹介しています。

 

訪問看護師への“応援歌”

 

――本書の活用方法を教えてください。
ぜひ、日ごろの訪問看護を振り返りながら、多様な生きざまとバリエーション豊かな起業のありようを見てください。本書が訪問看護師への“応援歌”であることがわかっていただけると思います。
また、近年は、若い看護職による起業も目立っていますね。これからの若い人には、従来の「卒後はまず病院に就職」というパターンではなく「まず在宅看護に」と考えてもらいたいと思っています。本書は、その教材としてもおすすめです。ぜひご一読ください。
(レポート:編集部)

 

→コミュニティケア2014年5月号

 

→『めざせ! 開業ナース 地域での起業25の実際』