『DVDBOOK 臨床での家族支援1 ベッドサイドでの関係づくり』と『DVDBOOK 臨床での家族支援2 個人面接での関係づくり』を同時に刊行しました。
わかっているつもりでも実践が難しい家族看護……。患者・家族への対応力をつけるには「実践のトレーニング」が必要です!DVDで家族への対応の「失敗編」と「成功編」を見ながら、ベッドサイドと個人面接での関係づくりを学びましょう!
〇本書の使い方
附属DVDには同じ事例で異なる対応場面「失敗編」と「成功編」が収録されています。各場面には「解説なし」と「解説入り」の映像があります。DVDを見ながら書籍の解説を読むことで、看護師の振る舞いが患者・家族に与える影響を観察することができます。
ここでは『DVDBOOK臨床での家族支援1 ベッドサイドでの関係づくり』の中でご紹介している【失敗編】場面1:気まずくなってしまう看護師(解説なし/解説入り)を例に、本書の使い方を見てみましょう。
『DVDBOOK臨床での家族支援1ベッドサイドでの関係づくり』
収録内容(再生時間:約22分)
◯はじめに・事例紹介
◯失敗編
場面1:気まずくなってしまう看護師(解説なし/解説入り)
場面2:励まそうとする看護師(解説なし/解説入り)
◯成功編
場面3:夫婦の気持ちに共感する看護師(解説なし/解説入り)
場面4:日常生活援助を取り入れる看護師(解説なし/解説入り)
◯まとめ
〈事例〉
食道がんの患者さん(68歳)は妻と二人暮し。患者さんの状態が悪化し、最近、死について話題にしたり、スピリチュアルペインを訴えることが増えたが、妻は病室にいても殆ど会話をせず、すぐに帰ってしまう。ナースは「なぜ、奥さんはもっと患者さんの傍にいて話を聞いてあげないのかな」と気になっていた。ナースが病室で患者の処置をしていたところに妻がやってきました…。
〈演習1〉
まず「解説なし」のDVD映像を見てみましょう。視聴して気がついたことを書き出していきます(本書には空白欄が用意してあります)。
*「解説なし」の逐語記録
看護師1:失礼します。
患者1:はい。
看護師2:遠藤さん、点滴の確認をさせていただいてよろしいです か?
患者2:はい。
看護師3:見せてください。ここ痛くないでしょうか?
患者3:はい、大丈夫です。
看護師4:今日は吐き気はいかがですか?
患者4:吐き気は大丈夫です。
看護師5:大丈夫でしたか?
患者5:はい。
(妻、入室)
看護師6:あ、こんにちは。
妻1:こんにちは。
患者6:ああ、来たの?
妻2:うん。調子はどう?
患者7:あまりよくないね。
妻3:うーん。
看護師7:あ、じゃあ、何かあったらナースコールでお知らせください。
患者8:あ、はい。
看護師8:じゃあ、失礼します。
妻4:お願いします。
*看護師の困りごと
「こういう時、奥さんにどう話しかければよいのでしょうか?」
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〈演習2〉
次に、場面1の「解説入り」DVDを見てみましょう。
*「解説入り」の逐語記録
看護師1:失礼します。
患者1:はい。
看護師2:遠藤さん、点滴の確認をさせていただいてよろしいですか?
患者2:はい。
看護師3:見せてください。ここ痛くないでしょうか?
患者3:はい、大丈夫です。
看護師4:今日は吐き気はいかがですか?
患者4:吐き気は大丈夫です。
看護師5:大丈夫でしたか?
→ここまでは、いつものペースで患者と接している感じ。
患者5:はい。
(妻、入室)
看護師6:あ、こんにちは。
妻1:こんにちは。
患者6:ああ、来たの?
→看護師は、妻の入室に少し驚きながらも、自分からあいさつをする。
妻2:うん。調子はどう?
→看護師は2人に話しかけようか戸惑いながら夫婦の様子をうかがうが、話しかけられない。視線からも落ち着かない様子がうかがえる(妻はちらっと看護師に視線を向けている)。
患者7:あまりよくないね。
妻3:うーん。
看護師7:あ、じゃあ、何かあったらナースコールでお知らせください。
→2人に介入せずに退室する。
患者8:あ、はい。
看護師8:じゃあ、失礼します。
妻4:お願いします。
→妻は残念そうに、何か言いたそうな表情で看護師の後ろ姿を見送る。
これらの逐語記録は、映像と一緒に見ることで場面の細かな確認ができます。また、合わせて書籍の「解説」を読むと理解が深まります。
*解説項目
・自分の思いに焦点が当たっていると、相手の反応が見えにくくなる
・相手のありのままの反応を見えにくくする自分の思いに気づく
・自分の言動に対する相手の反応を観察する
・すべての行為はメッセージとなり、意味は受け手が決める
・看護師から関係をつくっていく
『DVDBOOK臨床での家族支援2 個人面接での関係づくり』も使い方は一緒です。このように、DVDと書籍の解説、逐語記録を活用して学習を進めましょう!
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◯書籍情報