地域ケアの今(36)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

 

SDGsについて考える

文:上野まり

 

最近は、新聞をとらない人が増えているようです。私は子どものころから新聞がある生活を送っており、大人になってからは、仕事に行く前に朝刊の大きな見出しの記事や天気予報に目をとおし、帰宅してから朝刊・夕刊をざっと斜め読みすることが習慣になっています。そんな私にとって新聞のない生活は考えられません。新聞はさまざまな情報を毎日提供してくれて、時折、とても興味深い記事に出会うことがあります。先日もそんな記事を見つけました。

 

SDGsを自分事として捉える

 

仕事で公衆衛生関連の情報をインターネットで調べていたときに、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals、以下:SDGs)を知りました。2030年までに誰もが住みやすい世界をつくろうと、2015年に国連で採択されたものです。

 

 

SDGsは17の目標と169のターゲット、230の指標が設定されており、わが国でも認知度が増してきているようです。

 

SDGsの17の目標は、イラストとともに紹介されています(図)。一見すると、発展途上国に向けた目標なのかと思ってしまいそうですが、これらは先進国の日本にも当てはまり、決して他国の目標として看過すべきではないものです。例えば「1 貧困をなくそう」は、わが国でも近年、問題視され、メディアでも取り上げられています。社会人になった後も多額の奨学金の返済に追われている若者や、定年退職後に想定外に長生きした結果、老後資金が底をついてしまった高齢者などの報道をよく目にします。

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年9月号)