訪問看護ステーションの経営戦略(9)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

 

 

給与の正しい知識を
身につけよう(前編)

渡邉 尚之

 

 

皆さんは、自分がもらう、またはスタッフに支払う給与について、どのような認識を持っていますか? 訪問看護ステーションの管理者が給与についての知識を習得する機会は、あまり多くありません。しかし、給与の支払いは経営者・管理者とスタッフの信頼関係を維持する上で大変重要な要素です。そのため、給与計算を社会保険労務士などに委託しているステーションであっても、経営者・管理者は給与についての基本的な知識を理解しておくことが必要です。

 

 

労務管理にかかわるトラブルとして、給与に関連するものは実に多く発生しています。例としては、各種手当や残業代、有給休暇などに関するものや、社会保険料・源泉所得税・住民税といった控除(差引かれる金額)についての計算ミスや労働基準法等のルールへの誤解に起因するケースなどが挙げられます。正しい知識を持つことで、こうしたトラブルを予防できます。

また、給与の仕組みを理解すると、それを踏まえた資金繰りが可能となり、経営にも役立ちます。給与の支払いと資金繰りについては、次回、詳述します。

 

給与の支払いは最優先に!

 

給与は、経営者・管理者とスタッフとの最も基本的かつ重要な約束事です。筆者は、訪問看護ステーションに限らず、日ごろ接するすべての経営者・管理者に、給与支払いはどのような支払いよりも優先すべきであると伝えています。

 

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年9月号)