訪問看護ステーションの経営戦略(4)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

1時間でできるエリアマーケティング(後編)

渡邉 尚之

 

 

前回は、エリアマーケティングの必要性や資料活用のポイントなどについてお伝えしました。

 

簡単におさらいをすると、エリアマーケティングは新規事業立ち上げのための需要予測のみならず、すでに事業を展開している場合でもその地域の需要・方向性等を踏まえて経営戦略を検討する上で必要です。また、それに活用する資料は公表されている官公庁の統計資料や業界団体のデータを活用すると効率的であるという内容でした。

 

さて、皆さんは自身の地域の人口や高齢化率、人口当たりの訪問看護ステーション数・1ステーション当たりの従事者数、実際の利用者数などをご存知でしょうか? 今回はこれらの調査と活用方法を示したエリアマーケティングの実践例を紹介します。

 

 

拡大を続ける訪問看護市場

 

エリアマーケティングの前提として、現在の訪問看護市場の概況を紹介します。

 

訪問看護ステーションの増加率・従事者数
訪問看護ステーションは近年、増え続けています。2011年と2015年の比較では全国平均1.52倍の増加となっています1)。地域差はあるものの、最も増加率の低い鳥取県でも1.08倍増で、全国的に上述の4年間で減少している都道府県は1つもありません。最も増加率の大きい福岡県では同期間で3.06倍に増加しています。今後の医療・介護需要を踏まえても訪問看護ステーションは増え続けることが予想されます。訪問看護ステーションの1事業所当たりの平均従事者(常勤換算)は、2015年9月時点では6.5人、看護職員は4.8人です1)。つまり、1ステーション当たり、常勤換算でおよそ5人の看護師が従事しているといえます。

 

訪問看護利用者数の拡大
人口1万人当たりの訪問看護の利用者数は、全国平均37.2人で、そのうち介護保険が25.6人、医療保険が11.5人です(図1)1)。なお、都道府県別の利用者数を見ると、中部・近畿・中国地方では利用者数が多く、東北・関東地方では少ない傾向があります。訪問看護利用者数は2001〜2015年の14年間で介護保険2.05倍、医療保険3.49倍と非常に大きい伸びを示しています1)。

 

訪問看護ステーション1事業所当たりの1カ月の利用者数は平均68.5人、訪問回数は435.4回です1)。つまり、1人の利用者に平均6.4回訪問している計算となります。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年4月号)

 


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