在宅・施設の“看護力”向上のカギとなるナースからの詳細報告!「コミュニティケア」2015年6月臨時増刊号『地域で生きる“専門看護師・認定看護師”のワザ』看護管理者はぜひ注目したい! “地域のナース”の実践

 

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病院から在宅・施設へ――平成26年度の診療報酬改定で登場した“地域包括ケア病棟”をはじめ、今、“地域”に目を向ける必要性が強くいわれています。そのような中、病院の看護管理者に求められているのは「自院のある“地域”全体を把握して、自院がどのような方向性で“看護”を展開していくか」を考えていく視点です。そして、その“地域での看護”を知るために、まず声をかけて連携をとりたいのが、地域で活躍する専門看護師・認定看護師など専門性の高いナースたち。「コミュニティケア」2015年6月臨時増刊号では、そのようなナース27人からの詳細な実践報告を集めました。

 

■“地域”で働く専門性の高いナースに注目!

訪問看護師・特別養護老人ホームなどの施設の看護職向け月刊誌「コミュニティケア」は、年に2回(6月・11月)“臨時増刊号”を発行しています。2015年6月臨時増刊号『在宅・施設の“看護力”向上をめざして! 地域で生きる“専門看護師・認定看護師”のワザ』をテーマに発行しました。

 

「病院から在宅へ」の流れが加速する中、高齢者ケア施設も含めた“地域”に飛び出した専門看護師(CNS)と認定看護師(CN)がいます。本臨時増刊号では、CNS・CNの9割が病院に所属する現状において、「なぜ“地域”で働くことを決めたのか」「“地域”ならではの看護のやりがいとは」「CNS・CNだからこそ発揮できる看護のワザは何か」などが熱く語られています。

 

“地域”を視野に入れた病院での看護を進めていかなければならない病院看護管理者の方にも役立つ本臨時増刊号の内容を紹介しましょう。

 

■病院看護管理者が“まず持ちたい視点”が語られる第1章
「第1章 巻頭言:“地域の看護”で専門性を発揮するために」では、日本看護協会看護師職能委員会Ⅱ(介護・福祉関係施設・在宅等領域)の担当常任理事・齋藤訓子氏が「専門性の高い看護師はもっと“地域”で活躍してほしい」と呼びかけています。

 

この中で齋藤氏は病院看護管理者に向けて、「例えば同じ法人グループで病院もあり、特別養護老人ホーム等もあるなどの場合は、法人内で、病院と施設の間でも異動できるような仕組みを設けてはどうでしょうか」などの具体的な提案をしています。そして、「看護管理者の方が、地域医療構想などを見据えて、“これから自分の地域がどのように変わっていくか”を考え、その中で“地域包括ケアシステムの構築に、自分の病院の看護師たちは何ができるのだろう”という視点を持っていただくことがまず大切です」と強く訴えています。

 

■地域包括ケアの中で問われる“看護の専門性”が見えてくる第2章
「第2章 解説・提言:地域包括ケアの展開における専門看護師・認定看護師の役割とは」では、在宅療養支援診療所医師の髙瀬義昌氏、地域看護CNSで聖路加国際大学教授の山田雅子氏、訪問看護CN・在宅看護CNSで日本訪問看護財団立あすか山訪問看護ステーション統括所長の平原優美氏、元精神看護CNSで大学において長くCNSの育成にかかわった若狭紅子氏が「“地域”で働く看護師の現状と進むべき方向性」を示唆します。

 

その内容からは、地域包括ケアが展開されていく中で“看護の専門性”をどのように発揮していくのかが見えてきます。

 

■“地域”で活躍するさまざまなCNS・CNの実践報告から「病院がど のようにアプローチすればよいか」のヒントがつかめる第3章

「第3章 各論:CNS&CNが実践する“地域”で協働・連携する看護」では、21分野25人のCNS・CNが今までのキャリアを振り返りながら“地域”における自らの専門性を生かした“看護”のワザとやりがいを語ります。

 

本書で紹介する21の「専門分野」は、
〈専門看護師〉
「がん看護」「精神看護」「老人看護」
「母性看護」「慢性疾患看護」「家族支援」
〈認定看護師〉
「救急看護」「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」
「がん化学療法看護」「がん性疼痛看護」
「感染管理」「糖尿病看護」「透析看護」
「乳がん看護」「摂食・嚥下障害看護」
「小児救急看護」「認知症看護」
「脳卒中リハビリテーション看護」
「慢性呼吸器疾患看護」「慢性心不全看護」
で、訪問看護ステーションや診療所・クリニックなどの“在宅”分野のCNS・CNや、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホームなどの“施設”分野のCNS・CNが報告します。

 

特に、在宅と施設で、その“看護”の内容に相違があると思われる「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」「摂食・嚥下障害看護」「認知症看護」の4分野については、在宅・施設、それぞれのCNからの報告があります。

 

なお、執筆者の所属事業所は、訪問看護ステーション11人、高齢者ケア施設等7人、診療所・クリニック7人となっており、さまざまな場で頑張っているナースの報告から、広く“地域”の実情を知ることができます。

“地域”で頑張っているナースの現状を知ることで、病院がどのようにして“地域”に貢献できるかのヒントがつかめるはずです。ぜひ、本書を手にとってみてください。

 

-「看護」2015年9月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –

 

「コミュニティケア」2015年6月臨時増刊号

『地域で生きる“専門看護師・認定看護師”のワザ』