看護師から一級建築士へ転身した戸倉蓉子氏。「建物に元気を与える」をテーマに氏がこれまで手がけてきた医療施設の新築・改装後の写真を例に解説し、職場の環境改善を提案した看護界初のデザイン書です。本書掲載105枚の写真の中から5枚の写真を紹介します。
法人理念「自立と自由の家」、そして運営方針の1つ「人間愛」を外壁の色と建物全体で表現しています。コンセプトは「楽園」です。(ほうせんか病院)
看護師から一級建築士へ転身した戸倉蓉子氏。「建物に元気を与える」をテーマに氏がこれまで手がけてきた医療施設の新築・改装後の写真を例に解説し、職場の環境改善を提案した看護界初のデザイン書です。本書掲載105枚の写真の中から5枚の写真を紹介します。
法人理念「自立と自由の家」、そして運営方針の1つ「人間愛」を外壁の色と建物全体で表現しています。コンセプトは「楽園」です。(ほうせんか病院)
「痴呆・ぼけ」という言葉がごく当たり前のように使われていた昭和の時代から、抗認知症薬が開発されたり、認知症者の家族や当事者が徐々に声を上げ始めた平成前半を経て、平成後半に認知症ケア加算が創設されたことで、医療者の認知症に対する意識は大きく変わりました。
新しい令和の時代、認知症をめぐる状況はどう変わっていくのでしょうか。
認知症ケアの移り変わりを弊社書籍で振り返ってみました。
福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。
施設に入所している
高齢者から見える景色
文:上野まり
先日、80代後半の女性Aさんの手紙を目にしました。彼女が学生時代の同級生Bさんに宛てて書いたものです。Aさんは今、有料老人ホームに入所しているようです。
「Bちゃんへ 秋の訪れも本格的になり、夏の暑さを忘れて涼しい、ちょっと冷たい風さえ感じますこのごろ、お元気ですか。
私はすっかり老いたバアさん扱いを受けまして、86歳元気印のバアさんもすっかりしょげています。自分では脚も大丈夫、歩けますと言っていますが、娘たちはダメばあさんと思い込んで、私が家へ帰ると申しましても反対。何もできない状態にされています。火を扱うのはダメ、ガスも使えない人間扱いで、もう自立できない人間にされています。こんな扱いを受けていますか貴女は?
長野県にある「特別養護老人ホームあずみの里」で、提供されたおやつを食べた女性入所者が意識を失っているところを発見されました。女性は救急搬送され、意識が戻らないまま病院で亡くなりました。この出来事は、現在、刑事事件として訴追されています。2018年11月号に掲載した「事件の概要と裁判の経過」に続き、本稿では、第19回公判に弁護側証人として出廷した川嶋みどりさんに、その内容の報告と看護師としての立場からのご意見をいただきます。
弁護側証人として
2018年7月2日、私は「特養あずみの里業務上過失致死事件裁判(以下、特養あずみの里裁判)」の弁護側証人として、第19回公判に出廷し、証言台に立ちました。特養あずみの里裁判では、それまで証人尋問や被告人尋問が行われてきましたが、今回の公判をもって証拠調べの段階が終了することになっていました。
特養あずみの里裁判は当初から看護職・介護職の注目を集め、無罪を勝ち取るために多くの支援がなされてきました。それはこの裁判が不当なものであり、その判決には日本の看護・介護の未来と高齢者の尊厳がかかっている、と誰もが感じたからではないでしょうか。