NT2012年12月号連載【新★看護学事典】紹介        アルツハイマー型認知症

NT2012年12月号の連載「楽しく読んじゃう 新★看護学事典」では、看護学事典第2「アルツハイマー型認知症」の解説を執筆してくださった堀内ふき先生(佐久大学看護学部看護学科教授)からエッセイをおよせいただきました。

 

これからの看護の重要課題

認知症高齢者は、いまや300万人と10年間でほぼ2倍に増加しました。この数はどのくらいになるでしょうか。65歳以上で他疾患と比較してみますと、脳梗塞の約3倍、Ⅱ型糖尿病患者数のほぼ3分の1になります。本当に身近な病気になってきました。

 認知症の中で最も多いのがアルツハイマー型認知症です。私たちは、「長寿」と引き換えに、認知症という病気になる機会を多くしてしまいました。身内に1人や2人はいるのではないでしょうか。こんなに身近な病気なので、誰もがこの病気と、あるいはこの病気の人と付き合っていくことが求められます。

 

この病気になることを私たちは恐れているでしょうか。昔は、認知症になると自分の意思を伝えることができず、また何もかもわからなくなってしまうのだろうと考えられていました。しかし、当事者であるクリスティン・ブライデンさんの著書や、太田正博さんの講演などで、私たちは、その人たちのこころを知るとともに、何もわからないのではなく、たくさんのことがわかっていて、ただ、その表現がうまくできなかったり、私たちが理解できないことが問題なのだとわかってきました。

 

認知症の人は、いろいろな方法でサインを出し、意思を表出してくれています。例えば、おむつをしている認知症の方で、おむつを換えるためズボンを下ろそうとすると、いつも嫌がって換えさせてくれないので、抑えて換えようとしたとしましょう。すると「嫌だよう〜」と大きな声を出し、ケアする人の手をつねってしまったとします。その時に、私たちは、「ケアへの抵抗がある人」と捉えたり、「暴力をする人」と捉えてしまっていないでしょうか。「自分の意思を表現できる人」、「羞恥心を示してくれる人」と捉えるなど、その人の症状や行動から、意思を確認しながらケアを進めるということが必要なのではないでしょうか。

 

認知症の中核症状に作用し状態の悪化を遅らせる薬も使われるようになってきました。また、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症などの診断も進み、病態に合わせたケア方法の検討も行われています。認知症の方の幸せは、これからの高齢者すべての幸せを目指すものであり、看護の重要課題と言えましょう。

 

 

★アルツハイマー型認知症

認知症を起こす脳の病気の代表的疾患であり、認知症の約50%はアルツハイマー型認知症だとされている(看護学事典第2版より)。

 

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