地域ケアの今(38)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

 

“看護の核となる力”を持ち、

変幻自在に看護を提供する専門職に!

文:上野まり

 

9月8日に、「千葉看護学会第24回学術集会」が開催されました。テーマは「看護が挑むソーシャルイノベーション」で、学術集会長は訪問看護ステーション管理者の奥朋子氏でした。私は訪問看護ステーション管理者が学術集会長を務めることに興味を持ち、参加しました。

 

住民の健康や安心・安全な暮らしを

守るために

 

奥氏は保健師・助産師・がん看護専門看護師などの資格を持ち、大学病院の看護管理職としてキャリアを積み上げたベテラン看護師です。住民が患者となってからではなく、健康なときから予防的視点でかかわり、一緒に健康維持・向上をめざしたいと考え、訪問看護ステーションを立ち上げたとのことでした。こうした経歴を持つ看護師の訪問看護界への参入は、新しい風を吹き込んでくれる予感を感じさせ、素敵なことだと思いました。

 

 

同学術集会の会長講演で奥氏は、よりよい社会のために新しい仕組みを生み出し、変化を引き起こすイノベーションについて話しました。普段気づけない新しい視点でのこれから求められる看護を知ることができ、とても新鮮でした。

 

パネルディスカッションも興味深い内容でした。「街とくらしのイノベーション」をテーマに、介護保険外の訪問看護サービスを提供する事業を立ち上げた看護職、厚生労働省のモデル事業「みまもりあいプロジェクト」を実施している人、いつまでも住み続けられるまちづくりに取り組んでいる不動産業界の人が登壇しました。

「少子高齢化」「地域包括ケア」「介護保険制度」など、わが国の将来を語る上で欠かせないキーワードを盛り込みつつ、自身の活動と今後の展望を述べました。

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年11月号)