ステーションの看護を見える化しよう!(8)

看護プロセスや実践知が明示・共有されづらいとされる訪問看護。その業務を“見える化”し、よりよいケアの提供や、管理者・スタッフの仕事の楽しさ向上につなげる方法を、谷口由紀子さんと、山本則子さんを中心とするグループが解説します。

 

事例研究:ワークシートを用いた看護実践の言語化・概念化

山花 令子 ◆村山 陵子 ◆山本 則子

 

 

エキスパートの看護職ほど、自分の実践を“当たり前のこと”“普通のことしかしていない” と感じることが少なくないようです。しかし、実際には専門的な知識・技術・経験を背景にした優れた実践を意識せずに行っていることも多いでしょう。私たちの研究グループ(日本学術振興会科学研究費助成事業、代表:山本則子)は、そのような優れた実践を意識化し、他者と共有したり蓄積したりできる事例研究の方法論の開発に取り組んでいます。優れた実践の可視化は、実践者が自信を持つこと、他者の実践を学び成長すること、自身の経験のない事例に関する示唆を得ることなどに役立つと考えられます。
前号では、看護実践の意識化・言語化(図1)のための対話や問いかけなどを紹介しました。今回は、ワークシートを使った振り返りと、実践内容の概念化(カテゴリー化)の方法を紹介します。

 

 

実践を書き出し語り合う
当研究グループでは、看護実践の中心的な意味やキモだと考えられることを概念としてまとめ、それを基に実践の可視化をはかることを大切にしています。このためには、まず実践の内容を意識化・言語化する必要があります。前回は、事例を提示する人の“語り”からそれを明らかにする方法について解説しました。今回は、実践内容をワークシート(表1)に書き出し、それをグループで丁寧に読みながら“語り合う”方法を紹介します。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2017年11月号)