本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。
川越博美さんから井部俊子さんへの手紙
母の看取りから考えた訪問看護のあり方
文:川越博美
この歳になって初めて花粉症になりました。そのため、頭がよく働かないまま手紙を書いています。『コミュニティケア』に掲載されるころには症状も収まっていることでしょう。
井部さんのお手紙は、診療報酬改定の詳細な内容でした。現場にいる私たちがあの時点で正確な情報を得るには、かなりの努力が必要です。大変参考になりました。ありがとうございます。
以前、井部さんに諭されたことがあります。大学内のことで、私は地域看護学の教授として、ある情報が届いていないと学長室にクレームをつけに行きました。覚えていますか。そのとき、井部さんは「情報は歩いてあなたのところには行きません。情報は自分から取りに行くものです」と。なるほどと、素直な私(?)は納得して学長室を後にしました。
実践現場や利用者が多大な影響を受ける診療報酬改定。その情報を自ら取りに行く姿勢は訪問看護師にも大変重要です。それ以前に、改定への要望の意思表明も必要です。どう働きかければ現場の声が国に届くかを知り、行動することが大切ですよね。現場からの発信がよりよい改定・ケアにつながると信じています。