当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!
看護や医療をめぐる最新かつ重要な話題をワンテーマで簡潔に発信していく新しい媒体です。
薄くて手にとりやすく、面白いと評判のシリーズです。
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特定行為研修を修了した看護師が、広く現場で活躍しています。同研修を修了した認定看護師には大きな期待が寄せられ、すでに多様な場で活躍がみられます。他方、「修了者を十分活用できていない」との管理者の声も聞かれ、マネジメント面での課題が指摘されています。看護管理者には、どのような役割とマネジメントが求められているのでしょうか? これに応える本書の内容の一部をご紹介しましょう。
福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

「認知症」になることに備えて
文:鳥海房枝
厚生労働省は2018年11月に自らの人生の最終段階を周辺の人々とあらかじめ話し合っておく重要性を普及・啓発する目的で、アドバンス・ケア・プランニング(以下:ACP)の愛称を「人生会議」としました。その1年後の同月にこの言葉と考え方を広めるために、結果的には評判の悪かったポスターも作成しました。
このころには、介護保険での看取り介護加算の算定もあり、特別養護老人ホームなどの高齢者ケア施設では施設内看取りが珍しくなくなりました。さらに現在では終末期ケアに、ACPの考え方は必要不可欠になっています。すなわち「逝く本人の意思に沿った看取り」です。日本は今後、超高齢化社会から多死社会に突入します。ここで社会的に見た「多死社会」は傍らに置き、自らの生き方(逝き方)を周辺の人々と話し合い、意思表明しておく重要性が言われる
ようなった理由を考えてみます。
各分野のスペシャリストによる看護実践の過程から、困難事例への視点や日々の実践に役立つケア・コミュニケーションのポイント、スキルを学びます。
❸緩和ケア
利用者・家族のありようと生き方を理解し
起きている現象にコミットする
今月のスペシャリスト:長尾 充子
病状を受け入れ、よりよい療養を願うAさんと
本人へのがん告知を避けようとする家族
事例:Aさん /80代女性
肝細胞がん(多発リンパ節転移、骨転移)
Aさんは元来健康で、夫と立ち上げた会社の経営に精力的に取り組んできた。夫が10年前に亡くなった後も、従業員である家族たちに会社の経営やさまざまな生活場面において指示を出していた。Aさんには次男と3人の娘がいる。長男は2歳のときに特発性血小板減少性紫斑病で亡くなっていた。現在、Aさんは三女と一緒に暮らしており、そのほかの子どもは独立して近隣に住んでいた。
Aさんは、年明けごろから疲れやすさを自覚するようになった。3月、体幹に皮疹が出現し近所の皮膚科を受診したところ帯状疱疹と診断された。処方薬を服用したが、腹部周囲のピリピリする疼痛は改善せずに日常生活を思うように過ごせなくなった。6月はじめに再び皮膚科を受診すると黄疸が見られたため、大学病院での検査をすすめられた。すぐに入院が決まり、25日のCT検査の結果、肝右葉前区域のほぼ全体に腫瘤があり、肝細胞がんによる門脈浸潤・リンパ節転移・骨転移も認められた。さらに30日、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)により中部胆菅狭窄が認められ、胆管ステント・膵管ステントが留置された。7月10日より、骨転移部分への放射線療法が開始された。
シリーズ[看護の知]は、学術論文として言語化されたすぐれた看護の実践知を現場で働く看護職に読んでいただけるよう、読み物として再構成した書籍です。シリーズ第5弾となる『「わざ」を伝える』の著者・川名るりさんと、小児看護専門看護師の仁宮真紀さんに、看護スタッフ間で「わざ」を伝えることと、それに関連する倫理的感受性について語っていただきました。