認知症ケアの新しいかたち
「パネルディスカッション」を終え、「つどい」も大詰め。最後のプログラムは「2012京都文書」の採択です。この文書は、先ほどの森先生の発言からもわかるように、「認知症を生きる彼・彼女からみた地域包括ケア」を言語化したものと位置づけられています。
A4用紙6枚に及ぶ文書を、実行委員が読み上げていきます。ここですべてを掲載することはできませんが、最後の段落だけご紹介します。
認知症を生きる彼・彼女たちからみた地域包括ケア
パネルディスカッションは、座長を森俊夫先生が務め、パネリストとして次のメンバーが登壇しました。
高見国生(認知症の人と家族の会)
辻輝之(中央区認知症連携の会・中京東部医師会副会長)
宇都宮宏子(京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部)
橋本武也(特別養護老人ホーム同和園常務理事・園長)
杉原優子(京都府介護福祉士会会長)
【指定発言】
成本迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
(敬称略)
このパネルディスカッションは、武地先生が基調講演で解説した“調査”の中の質問と関連する6つのテーマについて、パネリストがそれぞれの立場から発言するかたちで進められました。ところどころにユーモアを交えたディスカッションで、会場からは笑い声も聞こえてきました。
テーマ1:評価していること
テーマ2:変わらなければいけないこと
テーマ3:入り口問題
テーマ4:医療の現場から
テーマ5:認知症ケア
テーマ6:排除されやすい人たち
ここでは、テーマごとに、いくつかの発言の概要を紹介していきます。
認知症の「入り口問題」とは?
13時からスタートした「つどい」。そのプログラムは、次のような構成でした。
①開会のあいさつ
細井恵美子(山城ぬくもりの里施設長、元京都南病院総婦長)
②趣旨説明
森俊夫(京都府立洛南病院・認知症疾患医療センター)
③基調講演
武地一(京都大学医学部附属病院老年内科診療科長)
④パネルディスカッション
【座長】
森俊夫
【パネリスト】
高見国生(認知症の人と家族の会)
辻輝之(中央区認知症連携の会・中京東部医師会副会長)
宇都宮宏子(京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部)
橋本武也(特別養護老人ホーム同和園常務理事・園長)
杉原優子(京都府介護福祉士会会長)
三浦ふたば(京都市地域包括支援センター・在宅介護支援センター連絡協議会顧問)
【指定発言】
成本迅(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)
(以上、敬称略)
※午前中にもプレス向けのセミナーがありました
細井恵美子さんのあいさつ、森俊夫先生による趣旨説明の後に、最初のメインプログラム、武地一先生による基調講演が始まりました。
テーマは「認知症になっても地域の中で今までどおり暮らし続けたい」。
「つどい」の呼びかけ人の一人である武地先生は、後述する「2012京都文書」を検討・作成するため、また「認知症ケアの今と今後への道筋」を提示するため、「つどい」実行委員が協力して、“調査”を行ったことを説明します。武地先生は、この調査の内容や方法、結果の概要について、わかりやくす解説していきました。
粉雪舞う京都で――「京都式認知症ケアを考えるつどい」開催
2012年2月12日、同志社大学の寒梅館にて「京都式認知症ケアを考えるつどい」が開かれました。
この「つどい」は、京都府立洛南病院・認知症疾患医療センターの森俊夫先生らを“呼びかけ人”として実現したものです。「ナーシング・トゥデイ」の「nt special1退院支援・退院調整」編集アドバイザーでお馴染みの、宇都宮宏子さんも呼びかけ人の一人です。
ちょうど2月号で「認知症」を特集したばかりの「ナーシング・トゥデイ」編集部。「京都式認知症ケアってなんだろう? 知りたいな」と思い、「つどい」を取材させていただきました。
この「つどい」は何を目的に、どのようにして立ち上がったのか。はじめにそのところについて、少し長いですが、開催ポスターに掲載されていたメッセージを全文掲載し、ご紹介します。
コミュニティケア3月号が3月1日に発売しました♪
第1特集では、小児訪問看護の魅力を大特集!!
小児科病棟・NICUなどへの入院が社会問題となる中、小児患者の在宅療養に向けて、訪問看護ステーションへの期待が高まっています。
特集では、まず「総論」で聖路加看護大学の及川郁子先生に小児訪問看護の現状と課題を整理していただきました。及川先生は1999年から小児訪問看護の研究に携わられています。調査研究の結果から、訪問看護師が置かれている現状が浮き彫りにされました。
続く「解説」では、愛媛県松山市で小児訪問看護に積極的に取り組んでいる「訪問看護ステーションほのか」所長の梶原厚子さんに「小児訪問看護のポイント」をインタビュー。小児看護の経験がなかった梶原さんが、どのように小児訪問看護に取り組み、実践してきたのか。「“看護のプロ”として、できないとは言いたくない」との言葉が、とても印象的でした。