もしもの時に必ず役立つ!
緊急・応急処置
Q&A
事故現場で傷病者を発見したら、看護職として、あなたは何をしますか? “仕事中の出来事だけではなく、家庭やサークル活動、地域活動の中でも役に立つ本を家庭に1冊”をコンセプトに、看護職なら誰でも知っておきたい、緊急・応急処置をコンパクトにまとめました。
■院外のファーストエイドに焦点を当てています
本書は院内ではなく、災害や事故など院外のファーストエイド(医療器具を用いないで行われるアセスメントと介入)に焦点を当てています。「鼻出血はどのように止めればよいですか」「転んで足首が腫れたら捻挫と判断してよいですか」「熱傷の重症度はどのように見極めればよいですか」など必ず役立つ知識が満載です。
■自然災害や事故にも対応
最近では、残念ながら、けが人が多く発生する自然災害や事故を経験する機会が多くなってきています。いつあなたがそのときに、居合わせるかもわかりません。いつかのための準備として、この本をそばに置いていただければ、いつか役に立つはずです。
■看護職として期待される役割
看護を取り巻く専門分化・高度化する医療環境の中で、看護職に求められる役割も大きくなってきています。社会の多くの人からは「看護職ならばきちんと手当てができて当たり前」と思われています。しかし、応急処置の場面だからこそ検査データがないということや情報が少ないことで判断に迷うケースもあり、本書に挙げた“注意したいこと”など難しいシチュエーションも存在します。そんなときにまずは、この本を読みながら実践してみてください。
Q&Aの一部紹介
本書に出てくるQ&Aの一部をご紹介します。
詳細は本書をご参照ください。
Q : 一次救命処置はいつまで続ければよいですか?
A : 正常な呼吸や目的のある仕草が傷病者に出現し、「明らかに心拍が再開した」と判断できる反応を確認するまでは、心肺蘇生は続けます(写真1)。
Q : ガラスの破片が手に刺さった場合、
すぐに抜いたほうがよいですか?
A : 大きな異物が刺さった場合、すぐに抜いてはいけません。異物が動かないように、また異物を圧迫しないように固定して止血に努め、医療機関を受診します(写真2)。
Q : 腕の痛みの原因として考えられることは何ですか?
A : 腕の痛みの原因は腕に原因がある場合(上腕・前腕の骨折、打撲など)と、腕以外のところにある場合(痛風や関節リウマチ、感染症など)があります。
*本書では添え木や三角巾がない場合にその場にある物で代用できる固定方法も紹介しています(写真3)。
Q : 座っている人でも失神する場合がありますか?
A : 座っている人でも失神することがあります。失神は恐怖や痛みなどでも生じます。例えば、ショックの大きい事実を聞かされたときなどです。
Q : 足がつったとき、どのように対応したらよいですか?
A : 体の力を抜き、楽な角度を見つけます。その後、ゆっくりとストレッチしましょう(写真4)。足がつった後は、膝を立てて寝ましょう。
Q: 調理中に腕をやけどしました。まず何をすればよいですか?
A : 軽症の場合は、流水で15〜30分程度冷却します。熱傷創の深さ・範囲・部位・経過などを考慮して適切な治療法を選択する必要があります。
Q : 熱中症の人に水をかけてよいですか?
A : 水をかけた後は、うちわや扇風機などを併用すると気化熱を奪うことができ、冷却効果は大きくなります。しかし、シバリングには気をつける必要があるので、継続的な観察は必要となります。
-「看護」2014年2月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –