人事労務相談室(18)

訪問看護ステーションや高齢者ケア施設で生じやすい

人事労務に関するトラブルと対応策、

またトラブルの防止策について解説いただきます。

 

 

パワーハラスメントへの
事業所の対応⑦

行為者へのヒアリングと対応

 

中山 伸雄

なかやま のぶお

社会保険労務士法人Nice-One 代表 / 社会保険労務士

 

 

 

前回は、パワハラの相談対応の基本的な流れと相談者への一次対応(ヒアリング)の留意点を紹介しました。今回は、相談者へのヒアリング後に行う、行為者へのヒアリングでの注意点、また、パワハラの事実確認ができなかった場合とできた場合の事業所の対応について解説します。

 

 

パワハラ行為者へのヒアリング

 

行為者へのヒアリングは、相談者の承諾を得た上で行います。ヒアリングの目的は、パワハラ行為があったかどうかの事実の確認です。

 

ヒアリングで重要なのは、「相談者の発言を事実であると決めつけて行わないこと」です。たまに相談者へのヒアリング内容を鵜呑みにして、「あなた、やったでしょ」というスタンスで臨んでしまう人がいます。たとえ、その人のこれまでの立ち振る舞いから、パワハラ行為をした可能性が高いと思っても、「事実をお聞かせください」と言って、あくまでも事実確認に徹することが大切です。

 

ヒアリングは図1に従って聞き取るとよいでしょう。また、その際のポイントを以下に挙げます。

 

①「中立な立場」で臨む(最初から犯人扱いしない)
②相談者への一次対応(ヒアリング)時に記入した「ハラスメン
 トヒアリングシート」を基に、1つひとつ事実であるか否かを
 確認する
③相談者への報復は厳禁であることを伝える

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2023年1月号)