SPECIAL BOOK GUIDE 看護職がやりがいを持って働き続けるために 『看護』2020年6月臨時増刊号 総特集 好事例に学ぶ 看護業務の効率化

看護に求められる役割が増大しており、多くの看護現場では人手不足や業務負担増の課題を抱えています。今後も安定して国民のニーズに応え、充実した看護を提供していくためには、看護業務の効率化や生産性向上が必要です。『看護』2020年6月臨時増刊号では、効率化に成功した改善策を具体的に紹介します。

 

 

 

 

□書誌情報

●A4判変型 120ページ ●定価(本体2000円+税)
日本看護協会出版会(TEL:0436-23-3271)

 

目次
1章 総論 看護の質を高める業務効率化
2章 事例 先進的な取り組みとその講評
「看護業務の効率化 先進事例アワード2019」受賞施設の実践
3章 解説 これからの看護業務効率化

 

■業務効率化の好事例を全国から募集
日本看護協会では、看護職がより専門性を発揮できる働き方の推進や生産性の向上、看護サービスの質の向上をはかるため、2019年度事業として、厚生労働省委託事業「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」を実施しました。
事業においては、看護業務の効率化に関する先駆的な取り組みを広く募集し、その中から汎用性が高く効果のある取り組みを選考・表彰し、広く周知することを目的として「看護業務の効率化 先進事例アワード2019」(写真)を開催しました。

 

 

■業務改善の具体的なアイデアが満載
『看護』2020年6月臨時増刊号では、アワード受賞事例の取り組みを詳細に紹介します。業務効率化に効果を上げた施策の解説のみならず、施策実施に至るまでの組織内交渉の実際や、もたらされた効果の数値データ等も具体的に提示。各医療機関において、業務改善や働き方改革を進めるにあたり、助けとなる情報が満載です。
また、看護業務の効率化の評価指標も紹介。タスクシフト・多職種連携、AI・ICT等の技術の活用、労務管理の観点から見た業務効率化のポイントについても解説します。
             ***
看護業務の効率化がめざすのは、患者・利用者へのケアの充実。よりよい看護を提供するために、本号をぜひご活用ください。

 

★★★アワード受賞施設の実践内容★★★

 

2-1 〈最優秀賞〉

「ユニフォーム2色制」と「ポリバレントナース育成」による

持続可能な残業削減への取り組み

一般社団法人熊本市医師会 熊本地域医療センター 大平 久美

 

2-2〈優秀賞〉【業務改善部門】

看護記録に要する時間削減の効率化への取り組み—記録内容の標準化とリアルタイム記録に焦点を当てて

県立広島病院 品川 恵己

 

2-3〈優秀賞〉【タスクシフト・多職種連携部門】

病棟薬剤師との役割移譲・協働による病棟薬剤管理業務の見直し

—「患者のため」の協働を共通認識として

社会医療法人石川記念会HITO病院 細川 克美

 

2-4〈優秀賞〉【AI・ICT等の技術の活用部門】

看護の質向上をはかるための働き方改革

—音声入力およびICTを活用し時間を短縮、残業を減らす

訪問看護リハビリステーション アオアクア 井上 晴貴

 

2-5〈優秀賞〉【その他の工夫部門】

小規模病院における看護クラーク科の立ち上げ

—看護クラークの一元管理による看護師負担軽減

医療法人社団協友会 メディカルトピア草加病院 真々田 美穂

 

2-6〈奨励賞〉

外来病棟一元化による勤務環境の改善

—外来と病棟を「線」でつなげ、患者を「面」で支える実践

国民健康保険 小松市民病院 太田 裕子

 

2-7〈奨励賞〉

ナースハッピープロジェクト(NHP)への取り組み

—音声入力による記録時間の削減

聖マリアンナ医科大学病院 本舘 教子

 

2-8〈特別賞〉

ロボットによる業務自動化(RPA)導入による

看護管理業務の効率化

NTT東日本関東病院 相馬 泰子

 

2-9〈特別賞〉

総合滅菌管理システムによる労働生産性の向上と働き方改革の実現—GS1識別コードを使用したシステムの導入

国立大学法人 福井大学医学部附属病院 石本 洋子