訪問看護ステーションの経営戦略(10)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

給与の正しい知識を
身につけよう(後編)

渡邉 尚之

 

 

給与等と資金繰り

 

訪問看護ステーションの経営に不可欠な給与についての知識の後編として、今回は資金繰りに関する留意点を解説します。

 

訪問看護ステーションを経営する上で、最も大きな支出は看護職をはじめとするスタッフに支給する給与等(給与・賞与)です。給与等の仕組みや支出のタイミングを正しく理解していなければ、給与等に関する多額の支払いが必要となる月などに必要な資金を用意できず、資金不足に陥る危険があります。

 

そこで、本稿では給与等の基本的な仕組みと留意点、事業主の負担を確認するとともに、モデルケースを用いてそれらの支払いのスケジュール・金額を示します。

 

 

給与の構成

 

給与は、毎月の総支給額から各種の控除額を差し引いた支給額が支払われます。総支給額=額面給与、控除額=天引き、支給額=手取り額という表現だと、より理解しやすいかもしれません。

 

総支給額は、固定的な支給である基本給と、それに加算する各種手当などで構成されます。手当の内容は事業所により異なりますが、資格手当・オンコール手当などのほか、就業状況等に応じた残業手当・休日出勤手当などがあります。ここから、法律等の定めに基づき控除額を差し引いた金額が支給額となります。

 

給与等から控除されるものには、大きく2種類があります。社会保険料と税金です。社会保険料は、広義には健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料の5つをいいますが、本稿では狭義での健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の3つを指すものとします。その理由は、実務上、この3つは毎月末に法人等の口座から引き落とされ、通帳にはまとめて「社会保険料」と印字されるため、本稿でもこれに合わせた扱いとするほうがイメージしやすいと考えるからです。なお、雇用保険料と労災保険料は合わせて「労働保険料」として扱われ、毎年7月10日までに1年分をまとめて申告・納付します。

 

税金は、住民税と源泉所得税の2種類があります。このうち、住民税は原則として前年度の所得等に基づき、毎月同額が控除されます。これに対して源泉所得税は毎月の総支給額等によって徴収金額が変動します。源泉所得税の計算はそれほど難しくありませんが、管理者などが給与計算をしている場合は、定期的に税理士や社会保険労務士などの専門家の確認を受けると安心でしょう。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年10月号)


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