『平成27年版 看護白書』刊行! テーマは「少子超高齢社会に期待される看護の人材育成」

1512看護白書

今年度の看護白書は4章構成から成り、地域包括ケアシステムで活躍できる人材づくりについて、多角的に考察し、提案する書となっています。資料編を除く全体の内容を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

章前の序論1では「少子超高齢社会に向けての看護の人材育成」で、看護界がめざすべき方向性を概括。序論2では「少子超高齢社会における医療の課題」を医学的見地から指摘する。

 

1章 看護基礎教育/研修について

 

解説「少子超高齢社会で望まれる人材と教育のあり方」では文部科学省のGP事業等で期待される能力強化を説明。鹿児島大学の事例「島嶼・地域ナース育成プログラム」では、地域での暮らしを最期まで支える人材養成のあり方を示した。また、北海道大学大学院は「大学院における保健師・助産師の教育」の事例を報告。

 

2章 継続教育/研修について

 

解説「新人看護職員研修事業」では開始5年の成果と課題を厚生労働省の担当専門官が概括。関連事例として「諏訪中央病院の取り組み」を紹介。続いて、解説「医療施設における継続教育の現状」では教育整備に向けた<継続教育の基準ver.2>の活用を概括。関連事例として、「JCHO大阪病院の現任教育」を紹介する。

 

解説「在宅・訪問看護領域における現任教育の課題」では、在宅看護の教育のあり方の再検討を提言。関連事例として「老健施設等の現任教育の取り組み」と、山梨県看護協会の取り組み「新卒訪問看護師の育成について」を紹介する。視点を助産師教育に移した解説では「CLoCMiP®レベルⅢ認証制度の普及に向けて」も収録した。

 

准看護師教育については、解説「准看護師教育の課題」で日本看護協会の取り組みを報告。関連事例として大阪府看護協会の「准看護師の資質向上および進学に関する取り組み」を紹介する。

 

3章 「特定行為に係る看護師の研修制度」について

 

解説「<特定行為に係る看護師の研修制度>の目的と概要」では厚労省の担当専門官が概括し、目標を提示。続いての解説「<特定行為に係る看護師の研修制度>創設における日本看護協会の役割」では、さらなる裁量の拡大も提言している。関連事例「試行事業参加施設の取り組み」では、老健施設での事業対象看護師の成果を報告。もう1つの事例「大分県立看護科学大学の取り組み」では、「特定行為に係る看護師の研修制度」において同校が担った役割を報告する。

 

4章 管理者教育/研修について

 

解説「認定看護管理者教育の現状と課題」では、変化する役割に対応した教育内容の充実を提言。関連事例では、「札幌市立大学における認定看護管理者教育」で、サードレベル教育課程開講・運営の実際を報告する。続く解説「認定看護管理者モデルを育むための活用術」では、管理者の大学院での学びを推奨。在宅・地域に視点を転じた解説「在宅・訪問看護・介護施設における看護職人材育成」では、高齢者ケア施設において看護管理者に求められる能力を考察。関連事例では「訪問看護ステーションの管理者育成」を報告する。

 

本白書最後の解説「<統括保健師人材育成プログラム>の概要」では、地域包括ケアシステムの要となる統括保健師への期待が語られる。

 

GP:Good Practice。国公私立大学を通じ教育の質向上に向けた大学教育改革の取り組みを選定し、財政的なサポートや幅広い情報提供を行うなどして教育改革の取り組みを促進する事業

 

 

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本白書発刊の意義

 

未曽有の少子超高齢社会を迎えようとしている今、多くの高齢者を支える医療マンパワーの確保は喫緊の課題である。加えて、認知症を含め慢性医疾患の増加、チーム医療の推進、在宅医療の拡大など、医療ニーズの多様化に対応する力が求められる。看護職の人材確保とともに、看護人材の質の向上は古くて新しい重要な課題となっている。

 

本白書のテーマは「少子超高齢社会に期待される看護の人材育成」である。人材育成は以前から継続的に取り組んできてはいるが、「時代の変化に対応し、専門職として役割発揮できる人材をいかに育成していくか」という意味で、新たな挑戦と言える。

 

これから激変する社会で、どのような人材育成が必要になるだろうか。まず医療・看護の提供体制がどう変わろうとしているかに注目していただきたい。急速に進む少子超高齢化の中、住み慣れたコミュニティで生活継続をめざす地域包括ケアシステムの構築は、国を挙げて取り組まれる最重要課題となり、療養の場は病院から地域・在宅へ、パラダイムシフトが加速している。医療・介護の専門職は、それぞれの職能を発揮しながらチームとして医療を提供することが求められている。

 

社会の期待に応え、看護職がその力を最大限に発揮するために、最も重要かつ基本となるのは「教育」である。多様なニーズに対応し、あらゆる状況下で行動できる力を育成するには、基礎教育はもとより、卒後の継続教育の充実をはかることが不可欠である。そのためには、看護職自身の努力とともに、教育・研修・資格・認証制度などで制度的に保障していく仕組みが必要である。では、具体的に、現場の看護職や看護管理者はいかに取り組んでいけばいいのだろうか。そのヒントが示されているのが本白書である。

 

本白書は「看護の教育/研修」の分野における現状、課題とその解決に向けた本会の活動、将来のあるべき姿とその実現方法などについて、最新の情報や事例を掲載した。臨床現場から教育機関まで、看護教育に携わる人々が、本書を参考にそれぞれの教育/研修の実践に役立てていただければ幸いである。

 

(平成27年版 看護白書 坂本すが日本看護協会会長
「発刊にあたって」より一部抜粋)

 

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-「看護」2015年12月号「SPECIAL INTERVIEW」より –

 

 

『平成27年版 看護白書』

少子超高齢社会に期待される看護の人材育成

いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護

 

 


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