老人看護専門看護師32人の実践から導き出された“高齢者看護のキホン”100 すべての看護職必携のスキルが明らかに!

老人看護

後列左から、山下さん、戸谷さん、西山さん
前列左から、岡本さん、桑田さん、吉岡さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡本 充子(おかもと・じゅんこ)さん

近森会グループ統括看護部長

 

桑田 美代子(くわた・みよこ)さん

青梅慶友病院看護介護開発室長

 

戸谷 幸佳(とや・さやか)さん

特別養護老人ホームくやはら

 

西山 みどり(にしやま・みどり)さん

有馬温泉病院ケア開発室室長

 

山下 由香(やました・ゆか)さん

東太田リハビリ訪問看護ステーション

 

吉岡 佐知子(よしおか・さちこ)さん

松江市立病院地域医療課課長

 

高齢者看護キホン100表紙高齢者看護のスペシャリストである“老人看護専門看護師”は、看取りを見据えた看護の“キーパーソン”として期待が高まっています。そのような中、32人の老人看護専門看護師が自らの実践を基に“高齢者看護のキホン”を導き出した書籍

エンド・オブ・ライフを見据えた“高齢者看護のキホン”100』が発刊されました。

 

 

 

 

 

本書は『看護』2015年3月臨時増刊号「エンド・オブ・ライフを見据えた“高齢者看護のキホン”100」が大変好評で、発売4カ月後に“完売”したため、全ページ細部の見直しを行い、“付録”も付けて急遽、書籍化されたものです。

 

■“座談会”で課題提起、“各論”で解決
第1章“巻頭言”では、聖路加国際大学学長・井部俊子さんが高齢者ケアの専門家と看護管理者のコラボレーション」として、本書の概要に触れ、重要なキーワードを整理しています。そして「高齢者ケアの理論と実践は、看護部にとどめることなく、病院全体、そして地域に向けた開かれた活動でなければならない」と提言し、高齢者看護の持つ重要な役割を示します。
続く第2章“座談会”では、6人の編者により「老人看護専門看護師が考える エンド・オブ・ライフを見据えた“高齢者の看護”とは」をテーマに、高齢者看護の課題、キホン100項目が導き出された過程などが話し合われます。
第3章“各論”では「高齢者看護のキホン」が1ページ1項目、100ページにわたって解説されます。「高齢者を取り巻く日本の現状/高齢者の症状の捉え方/老いによる身体・精神・生理的な変化/痛み/症状マネジメント/倫理/文化/コミュニケーション/悲嘆・喪失/認知症ケア/尊厳ある看取りに向けて/看護管理者に必要な視点」の12領域で解説された100項目を読むことで、座談会でも指摘されていた課題の解決など、本当の高齢者看護の実践に近づくことができます。
最後に“付録”として「超高齢社会を迎え、看護管理者として注目してほしいデータ」が編者の桑田さんから紹介されています。これは臨時増刊号には掲載されなかったもの。「都道府県別高齢化率の推移」「延命治療に対する考え方」などの8つのデータを読み解けば、高齢者を理解する助けになることでしょう。

 

■6人の編者からのメッセージ

編者6人の老人看護専門看護師に、おすすめのポイントなど、お話をうかがいました。
桑田さん 本書の100項目をまとめるとき、「ELNEC-J 高齢者カリキュラム看護師教育プログラム(ELNEC-JG)」をベースとして考えました。高齢者の老化の延長線上の死、すなわち自然な経過としての死を考え、従来の終末期ケアのプログラムではでき得なかった高齢者特有のエンド・オブ・ライフ期にみられる状態をカバーする内容としています。ぜひ、本書に触れてみていただきたいですね。

西山さん 以前は北欧の高齢者ケアに憧れのようなものがありましたが、「日本人の細やかさ」なども自然に取り入れた日本独自の高齢者ケアも素晴らしいのです。ELNEC-JGを学ぶことで、それに気づくことができました。本書のキホン100項目でも、「高齢者のケアでできていることもたくさんある」ということを実感できると思っています。そして、それは高齢者の“生活”をみる力に絶対につながってきます。
吉岡さん 急性期看護をしている人たちにとって、高齢者の看護を“得意”と思っている人はあまり多くないと思います。一生懸命やっていても空回り……という感じ。急性期でずっと働いてきた私自身もそうだったのでよくわかります。ですから、まずは「高齢者を知ってほしい」。本書では、高齢者を理解するための項目が数多く紹介されています。“高齢者ケアの文化”が病院の中に自然に定着するようになってくると、「高齢者に寄り添う病院」に変わっていくように思います。
戸谷さん 特別養護老人ホームの入居者は多くが認知症の方です。認知症ケアの基本としてもよく言われるのが「高齢者の“困った行動”には意味がある」ということ。急性期で認知症高齢者の患者に戸惑っているとよく聞きますが、「高齢の患者さんはこういう意図で行動している」ということを、皆で理解・把握しようとすれば高齢者ケアが面白くなってくるのではないでしょうか。本書では認知症ケアに強い老人看護専門看護師が11項目にわたって解説しています。
山下さん 例えば、「もう過剰になるから点滴終了」という指示が出て、医療行為としては終わりでも、医療の専門職が本人をみることは終わりません。その後、どうケアをしていくかを考えるのが私たち看護職なのだと思います。その専門性を発揮させるには、患者“その人”をみる観察点、アセスメントが重要です。本書は、そのアセスメントの一助になるのではと思います。
岡本さん 急性期の看護師たちは「これ以上は回復が見込めない」となると、自分たちにできることはもうない、と無力感を感じてしまいます。これを少なくするには「“治療”にだけ目を向けるのではなく、誰かの手助けがないと生活できない高齢者には“日常のケア”にこそ意味がある」ことに気づいてもらうことが大切です。本書には、この“高齢者にふさわしい医療”を実践するヒントがいっぱい詰まっています。ぜひ、手にとって読んでみていただきたいと思います。

 

-「看護」2015年11月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –

 

エンド・オブ・ライフを見据えた“高齢者看護のキホン”100

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*