書評『がん終末期患者のストーマケア Q&A』(祖父江正代・松浦信子 編)

評者:溝上 祐子(公益社団法人日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程長)

 

これからの日本は急速に進む高齢化・多死社会を迎えるに当たり、医療のあり方を大きく変化させていくことが求められている。

 

看護師が働く場所も病院だけでなく、あらゆる保健施設や老人施設、そして在宅の場など多様化していくであろう。現在は看取りの場所のトップは病院であるが、今後はその受け入れ病床が不足することが予測されている。

 

もはや、がん終末期の緩和ケアは病院だけではなく、あらゆる場面で必要となってくる。これからの看護師はプロフェッショナルとして、あらゆる職種と協働しながらリーダーシップを執っていく能力と知識を持たなければならない。

 

本書は、これまではがん専門病院や緩和病棟で皮膚・排泄ケア認定看護師など専門性の高い看護師が行ってきた「がん終末期患者のストーマケア」を、Q&A方式でわかりやすく解説している。

 

これからのストーマ造設は、治療目的だけでなく緩和目的、あるいはQOL向上を目的として行われる例が増加すると考えられる。本書では、ストーマケアを専門に行っていく看護師に新たな知識として必要な内容が書かれている。

 

一方では、がん看護や緩和ケアの経験が少ない看護師にも、がん終末期患者のストーマケアが行えるようなガイドブックとしての役割も果たしている。ストーマケアや緩和ケアを専門とする看護師だけでなく、多くの看護師に手に取っていただきたい良書である。

 

-「看護」2012年9月号より –

 

 

『がん終末期患者のストーマケア Q&A』の詳細


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