『学習課題とクイズで学ぶ看護マネジメント入門』発行!(原玲子先生インタビュー ①)

好評既刊『看護師長・主任のための成果のみえる病棟目標の立て方』の著者・原玲子先生の新刊が発行されました『学習課題とクイズで学ぶ看護マネジメント入門』(目次はこちら)です! 初めて看護管理を学ぶ学生や復習したいナースの方におすすめです!

 

ここでは月刊「看護」2011年12月号「SPECIAL INTERVIEW」に掲載した原玲子先生へのインタビュー記事の全文をご紹介します。

 


インタビュー:看護マネジメントの実践において

欠かせない要素と学習を継続していくヒントとは?


 

マネジメントの機能は、看護実践のあるところ全てにおいて必要と言われ、厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」が示す臨床実践能力の構造においても「管理的側面」が組み込まれています。『学習課題とクイズで学ぶ看護マネジメント入門』の著者である原玲子氏に、看護マネジメントの実践に欠かせない要素(項目)への理解について、さらに学習を継続していくヒントについて伺いました。

 


 

 

新人看護職員においても「管理的側面」の能力が求められている理由は?


───「新人看護職員研修ガイドライン」が示す臨床実践能力の構造で、「看護職員として必要な基本姿勢と態度」「技術的側面」「管理的側面」は患者への看護を通して臨床実践の場で統合されるべき要素、と示されました。学生・新人の時から「マネジメント」を意識する必要があるのですね。

 

卒業時点での看護実践能力と臨床現場で求められる能力の違いから生じるリアリティショックによる早期離職の実態等から、基礎教育の中で即戦力となる実践能力を習得することには限界があるとされたこと、また、平均在院日数の短縮化等で多忙化する臨床現場において、各施設の自助努力による新人教育は医療安全の確保等の観点等からも限界があるとされたことにより、新人看護職員の臨床研修が制度化されました。

 

この「臨床実践能力」をイコール「看護技術力」などと認識されている場合もあるようです。しかし、「臨床実践能力」とは、技術面に加えて、看護管理や倫理的側面、専門職業人としての自己啓発の側面など多面的な要素を統合した能力なので、そのような理解を進めるためにも、「臨床実践能力」の構造が示されたことはとても意義のあることと思います。

 

看護ケアの実践のあるところには、必ず「看護管理」が存在します。例えば、清拭の場面一つとっても、タオルなどの物品を、必要な時にいつでも使用できる状態にしておくためには、そのためのマネジメントの仕組みをつくっておく必要があります。新人看護職員も、中堅看護職員も、ベテラン職員も、もちろん看護管理者も、役割に違いはあれど、個々の実践においてマネジメントを行うことが必要です。

 

その日々の何気ない実践の中で行われている「マネジメント」は、質の高い看護を提供するために必要で、かつ、個々の実践力の向上にも必要です。しかし、「マネジメント」が何かということを示さなければ、それに気づくことは難しいので、機会をつくって学習することが重要だと思います。

 

新人看護職員研修ガイドラインでは、管理的側面は、「安全管理」「情報管理」「業務管理」「薬剤等の管理」「災害・防災管理」「物品管理」「コスト管理」の7項目で構成されますが、その全体像がどのようなことなのかまでは教えていないので、管理的側面がどのような意味を持つのかについても、学んでいくことが大切だと思っています。

 

 

マネジメント理論と看護管理実践の統合とは


───本書は、16のテーマ(要素)[目次参照]から構成され、マネジメントや医療制度の基礎概念の解説に加え、上述の7項目はもとより、「業務遂行のマネジメント」「医療安全の基本的な考え方」「医療現場における業務上の危険」など、実践的な知識も盛り込まれていますね。

 

そうですね。管理は実践なので、日常的な看護実践とリンクしたマネジメントは関心も大きいところです。また、看護は24時間の継続性を持つという特性から、交代勤務制、安全の確保など、とても高度な労務管理が求められます。

 

「業務遂行のマネジメント」では、労務管理の基本を押さえて、24時間の継続看護提供のための業務管理、物的資源管理、医薬品管理の基本に加え、ストレスマネジメント、タイムマネジメントなどについても解説したので、ご参考になると思います。

 

「医療安全の基本的な考え方」では、現在の医療安全対策推進の契機となった「手術患者取り違え事故」の概要を、事故報告書を基にして、イラストでわかりやすく展開しました。あれから10年以上が経過して、この事例のことを知らない看護職も増えてきました。それまでは医療事故が起きると、「気をつけなさい」などと個人に対する注意喚起で終わっていた現場の傾向に対して、「ヒューマンエラーは事故の原因ではなく結果である」との考え方から組織的に本質安全を考える契機になった多くの学びのある事例であり、このまま風化させてはいけないと思っています。そこで、類書には見られない丁寧さで力を込めて書いています。

 

 

→つづく

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