SPECIAL BOOK GUIDE 日本老年学的評価研究(JAGES)+全国の市町村職員・住民の、ノウハウと知見を凝縮! 『住民主体の楽しい「通いの場」づくり ―「地域づくりによる介護予防」進め方ガイド』刊行!

「地域づくりによる介護予防」の進め方の手順を、豊富な実践・研究成果を基に、具体的に解説。準備から評価・分析までの各段階で、「何を、どうすればよいのか」が、これを読めばわかります!

 

 

■「地域づくりによる介護予防」とは

 

2015年度の介護保険法改正に伴い、介護予防の進め方は、方向転換をしました。

従来行われていたのは、基本チェックリストなどを使い、要介護状態に陥るおそれのある高齢者を見つけ出して、介護予防教室に誘う、というハイリスクアプローチ。しかし、この方法では、費用がかかるわりに参加者は集まらず、効果が得られませんでした。

その反省を踏まえて誕生したのが、対象者を選別せずに誰でも参加できるポピュレーションアプローチ型の「地域づくりによる介護予防」です。

そして、このアプローチのほうが、抵抗感なく参加できること、多くのハイリスク者が参加すること、また、参加者は非参加者に比べて要介護認定の発生率が大幅に低くなることなどが、わかってきました。

 

 

■20年にわたる実践・研究の成果を凝縮

 

とはいえ、多くの市町村にとってこの「地域づくりによる介護予防」は経験のない取り組みです。どのように進めればよいのか、そもそも、何から手をつけてよいのか、戸惑っているところも少なくないでしょう。

本書では、その具体的な進め方として、高齢者の「通いの場」を地域につくり出し、住民主体での運営・継続へとつなぐための手順を紹介します。

「通いの場」とは、運動や交流などの機会、あるいは、外出の機会や目的そのものとなる場所です。高齢者が参加者としてそこに通う、あるいは、ボランティアとして運営にかかわることによって、健康の維持・増進が促される(要介護認定の発生を抑える)こと、さらには、コミュニティの(再)構築へとつながることが期待されます。

本書の編著者・近藤克則氏(千葉大学教授)が代表を務める日本老年学的評価研究(JAGES)★1では、20年間にわたって全国の市町村と協働でこの活動に取り組んできました。本書は、JAGESに参加する市町村職員と研究者らにより執筆されており、その豊富な実践・研究成果に基づくノウハウと知見が凝縮された1冊となっています。

 

■各段階で、「何を、どうすればよいのか」がわかる

 

「導入編」では、そうした現場での取り組みを通して得られた根拠データを示しながら、「地域づくりによる介護予防」の基本的事項を解説します。

「実践編」では、「地域づくりによる介護予防」のプロセスを次の4段階に分け、それぞれの時期における“to do”を具体的に説明します。

まずは、関係者間で認識を共有することからスタート(▶第1章「共通認識の形成期」)。

なお、ここでいう「関係者」には、「介護」や「地域づくり」にかかわる部署の行政職員だけでなく、地域の組織、地域の世話役など、幅広い人が含まれます。そしてこの、「さまざまな人を巻き込む」ということが、重要なポイント。市町村職員から住民へと、参加対象を広げながら、数回にわたって研修会を開催し、「地域づくりによる介護予防」がこの地域になぜ必要なのか、めざすべき目標や方向性はどのようなものか、必要な/活用できそうな資源は何か、などをともに考えながら、地域課題を「自分事化」し、活動のイメージを共有していきます。

そして、活動に関心を持ち、その運営の担い手となってくれそうな住民(ボランティア候補者)の集団化をはかります(▶第2章「運営主体の形成期」)。

研修会を開催し、活動の具体的内容や運営方法などを話し合い、活動を「自分事化」してもらいながら、初期段階での合意形成をめざします。住民のモチベーションを上げ、自発的なアクションを引き出すことが求められますので、実践事例や研究成果を基に、そのための工夫も紹介します。

住民ボランティア、さらに、活動の軸となるボランティアリーダーを育成しながら、活動の拠点=「通いの場」づくりの準備を進めます。「通いの場」が立ち上がったら、これを住民ボランティア主体で安定的に運営すること、地域に増やしていくことを考えます(▶第3章「運営・拡大期」)。

より多くの高齢者に、継続的に参加してもらうためのヒント、また、長く続けていくと、それゆえに生じてくる課題もありますので、その対策例なども紹介します。

また、これを事業として実施・拡大するには、効果を評価して示し、財政部局を説得して、予算を確保する必要があります(▶第4章「評価期」)。

そのために有効なデータや分析方法にはどのようなものがあり、どのような準備をすればよいのか、分析結果を活動の充実に生かすヒントとともに示します。

 

■現場での経験に基づくヒントが満載

 

関係者で地域の課題や特性を共有しながら、それらに合わせた活動を検討していくのに有用なのが、地域診断、つまり、地域の現状を「見える化」したデータです。

「補章」では、JAGESが開発し、オンラインで地域診断のできるツール、「地域マネジメント支援システム」(JAGES HEART)の使用手順を、ストーリー仕立てで解説します。さらに、これを実際に介護予防政策の立案などに役立てている市町村から、研修会などにおける具体的な活用例も報告されます。

また、「『悪い』地域診断結果の伝え方」「思わず参加したくなる仕掛けづくり」「活動のマンネリ化防止策」「男性の参加者を増やすには?」「ボランティア同士の競争を避けるには?」といった、現場での豊富な実践経験に基づくコラムやQ&Aも随所にちりばめられていますし、巻末には、「コピー/ダウンロードして使える資料集」として、各段階においてするべきことや準備するものをチェックできるリスト、研修会プログラムのフォーマットなどを収載★2。 皆さまの地域の介護予防・健康増進に、ぜひ、ご活用ください。

 

★1 日本老年学的評価研究(JAGES)
https://www.jages.net/

★2 詳しくは、弊社ウェブサイトの本書紹介ページをご参照ください。
http://www.jnapc.co.jp/products/detail.php?product_id=3678

 


住民主体の楽しい「通いの場」づくり

「地域づくりによる介護予防」進め方ガイド


 

 

 

 

 

 

 

 

近藤克則 編

●B5判・120ページ

●定価(本体1800円+税)

ISBN978-4-8180-2187-7

発行 日本看護協会出版会

(TEL:0436-23-3271)

 

 

 

〈主な内容〉

◆導入編 「地域づくりによる介護予防」とは

◆実践編 各プロセスにおける進め方のポイント

第1章 共通認識の形成期(市町村担当職員を対象に研修会を開く/

ファシリテーションを学ぼう/他)

第2章 運営主体の形成期(ボランティアリーダーを育てる/

「通いの場」を開所する/他)

第3章 運営・拡大期(「通いの場」を安定的に運営する/他)

第4章 評価期(評価計画を立てる/評価に必須の5つの情報を集める/他)

補 章
地域診断の実践(「地域マネジメント支援システム」を使った地域診断の手順/他)

◇コラム・Q&A

◇コピー/ダウンロードして使える資料集

 

 


→看護2019年7月号より

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