SPECIAL BOOK GUIDE 「生活を重視した看護」を事例で学べる! 『高齢者看護の実践能力を育てる 高齢者ケア施設の看護をベースにして』が刊行

高齢者ケア施設では、入居者の“生活”をベースに本人の思いを尊重した看護が展開されています。本書では、このような施設に初めて入職した新任期看護師の「高齢者看護の実践能力」の修得を、施設の教育支援者がどのように支援していくかを解説しています。その内容は病院でも在宅でも活用できる、まさに「高齢者看護のエッセンス」です。「高齢者の看護」に取り組むためには、まず、どのような視点が必要なのかを理解するために、ぜひご活用ください。

 

 

 

■「高齢者ケア施設の看護」とは

 

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの「高齢者ケア施設」は、入居者にとって“生活の場”であり、もう1つの“自宅”ともいえます。そこで働くナースの多くは「ここでは病気の治療ではなく、“その人”を支える看護ができる」とよく語ります。まさに「看護の本質」を展開することのできる場が、高齢者ケア施設なのです。

しかし、高齢者ケア施設の新任期(初めて高齢者施設に入職して1〜3年目程度)の看護師の教育支援は、ニーズは高まっているものの指導方法が確立されていないために、現場は試行錯誤の状況となっています。

 

■新任期看護師の教育支援事例を分析

 

そこで、神戸市看護大学教授の坪井桂子さんは、高齢者看護の高度な実践家である老人看護専門看護師、高齢者ケア施設での看護経験が豊富なナース、そして大学教員とともに、2014〜17年度の4年間、科研の助成を受けて、実際の現場で行われている教育支援事例を収集・分析しました。

そして、新任期看護師が身につけたいスキルに必要な要素を5つのテーマごとに「大分類」「中分類」「小分類」として細かく整理し、それぞれの対応を明確にする支援方法を見いだしました。

 

■事例を基に詳細な支援方法が語られる

 

本書は、その5つのテーマの典型的な事例を取り上げ、施設の教育支援者が、どのようにして新任期看護師を支援していくかを詳細に示しています。

まず、第1章〈総論〉は「高齢者看護の実践能力を育成する教育支援の方法」の概説です。

続く第2章〈解説〉でテーマごとに事例を用いて、以下の「高齢者看護の実践能力」が示されます。

〈テーマ1〉倫理的に優れたケアをチームで実践する/事例[意思決定支援][転倒予防]

〈テーマ2〉老年症候群の苦痛を緩和する日常生活援助/事例[かゆみ][疼痛][難聴][せん妄][睡眠障害(不眠)]

〈テーマ3〉認知症の生活機能障害に応じた日常生活援助/事例[入浴への抵抗][「帰りたい」願い]

〈テーマ4〉心身の変化を早期に捉えたケア/事例[低血糖][イレウス]

〈テーマ5〉安楽で安寧な看取りに向けたケア/事例[看取りケアプラン][看取り後]

 

■施設だけでなく、病院や訪問看護のナースにも

 

下の「本書のポイント」を見ていただくと、事例を基に、アセスメントから支援の実際までが、とても詳細に記されていることがわかります。

地域包括ケアが重視されるようになり、疾病ではなく、生活をみる看護が求められています。本書は高齢者ケア施設のナースはもちろん、病院のナースや訪問看護師にとっても、「生活を重視した看護」の視点を持つためのきっかけ、あるいは振り返りとなるはず。ぜひ、手にとってみてください。

 

 

 

 


高齢者看護の

実践能力を育てる

高齢者ケア施設の看護をベースにして


 

坪井桂子 編

●B5判 128ページ

●定価(本体1800円+税)

ISBN 978-4-8180-2135-8

日本看護協会出版会

(TEL:0436-23-3271)

 


→看護2019年2月号より

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