2007年の5月に発行となりました書籍「『看護者の倫理綱領』で読み解く ベッドサイドの看護倫理事例30」。おかげさまで大変多くの看護師の皆さま、また学生の皆さまに読んでいただき、ご活用いただきまして、この春、第6回目の増刷となりました。
看護師が倫理を問われるベッドサイドでのケア事例を文字通り30収載したこの書籍。隅々に至るすべてに、看護師方々の実体験に基づく現場の経験、現場の声が反映されています。まだご覧になっていないという方、ぜひ手にとってご一読くださいませ。
……というところで!
すみません。無駄に赤字にしてしまいました。上に掲げました本書の表紙。「この表紙には何か意味があるのでしょうか?」というご意見・ご質問を、これまでに一度ならず、二度三度、四度……数多くいただいております。光の溢れるスタジオに集う少女たちの青い衣装と書籍名の緑が爽やかなアクセントを織りなすこの表紙ですが、今回はこの写真に込められた意味を読み解いて参りたいと思います。
従来、「看護倫理」という言葉には固い・難しいというイメージが拭えない一面があったように思います。そこにあって、この表紙は、本書が広く若い人々にも読まれ、看護倫理に親しんでほしいという執筆者の先生方の希望のもとに選ばれました。
写真にうつる少女たち。本番に備えた青いドレスを着て、光の窓に向かう後ろ姿には、自分たちがこれまで練習してきた成果を精一杯見せるのだという真剣さに溢れています。窓際に座って彼女たちを見守るのは指導者でしょうか。
「これから」に向かう少女たちのひたむきさ、先人の見守り、そして光溢れる窓。
「看護倫理」について、本書の編者である杉谷藤子先生は本書の中で、「看護そのものが倫理である」と述べておられます。看護や倫理、それは決して重苦しいものではなく、堅苦しいものでもなく、希望や明るさや暖かさ、その場に自然に溢れて在るようなやさしい「光」であってほしい。
……この本の表紙にはそんな先生方の思いが込められているのです(実は)。