[連載小説]ケアメンたろう(第6話)

実録:男子高校生、女性用品を買いにいく

    

 

 

キョロキョロキョロ…

 

 

あった!

 

 

── レジで買ってきてね。

 

店員:「◯◯円です」(お互い目を合わせない…)

 

 

1万円からでお願いします…。

 

店員:「はい、1万円からで」

ぱりっ、ぱんっ(紙袋を取り出してナプキンを入れる)。

ちーっ(セロテープで口を留める)。

しゃっ、しゃっ(さらにレジ袋に入れる)

 

 

(ま、まだかな…)

 

店員:「お釣り、◯◯円です。ありがとうございました」

 

 

ふ〜〜っ。

 

── ご苦労さま。恥ずかしくなかった?

 

 

恥ずかしいっ!

 

 

── どこにあるか、すぐにわかった?

 

だいたいこの辺ってのは。

 

── ふ〜ん。じゃあ次ね。タンポン買って。

 

 

 

──それと、女性用のパンツ。

 

…えっ!!

 

──(微笑)。

 

 

 

どこや…わからん。

 

 

スタスタスタ…

 

 

じーーーっ。

 

 

あった! タンポン…

 

 

 

パンツも!

 

── それ、何サイズ?

 

んっと、エル?

 

──私、エルに見えるんね……?(苛)

 

え、エム??(汗)

 

──「ショーツって書いてあるけどそれパンツのこと?

 

 

違うの?…ようわからん(困)。

 

── そうだ(笑)。じゃあ買ってこよっか。

 

(先ほどと同じようにレジへ向かい、2点購入)

 

 

── はい、じゃあ感想を聞かせて下さい。

 

ふ〜〜っ。

 

── もし私がいなくても買えた?

 

いやいや、絶対買えない!

 

── でも、お母さんが入院したりしたらどうする?

 

入院やったら… ま、買います。

 

── どこで買う?

 

え、ドラッグイレブン。

 

── ドラッグイレブンやったら買えそう?(笑)

 

あ〜、まあまあまあ…。

 

── 何が一番恥ずかしかった?

 

女性が買うもんだし…。レジに出す時、女性の店員だったら無理や。バリ恥ずかしい。あと、選ぶ時見られるのもイヤ…。ねえねえ(筆者)がいなかったら買えんかったな。

 

── 商品がどこにあるとか、

どれを買ったらいいとか、わかった?

 

場所はだいたいわかったけど、パンツがショーツなのは知らんかった。

 

── つまり、男性が買うことを考えたら

「パンツ」って書いとかないと、

わからないってことやね。

 

 

うん。

 

── 恥ずかしかったね〜。おつかれさま。

ありがとう。うふふふ(笑)。

 

 

 

    

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教養と看護編集部のページ日本看護協会出版会

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