今回の視点 〜 編集部より

 

今回アサダさんが焦点にされている「空気」とは一体何でしょうか。

 

「みんな」に迷惑をかけてはいけない、「みんな」我慢しているのだから……という、この非常にあいまいで、強い力をもつものの正体は何なのか。

 

この「空気」の表面を覆っている、のっぺらぼうで実態のない冷やかな仮面の下には、脆い生き物である人間の恐怖や不安が隠されているように思います。そして、私たちはなるべくそれを見ないようにし、「ないこと」にして生きることが、ある意味で得意なようです。

 

しかし、コロナ禍で社会のあらゆる矛盾や理不尽がむき出しになりつつある今、それらを「ないこと」にはできなくなりつつあります。いや、今だからこそ私たちはより主体的に「空気」の正体と本気で向き合わなければいけないのだと思います。

 

──まずするべきことは、さまざまな立場が並存することを客観的に見つめた上で、「空気」をこのように「言葉」として記述してゆくことから始めるしかない。そしてわれわれスタッフとしても、もっと日頃から近隣との信頼関係を築きながら「空気」に対して別の「空気」で上書きしてゆく必要がある。(本文より)

 

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