今回の視点 〜 編集部より
精神科病棟に入院する患者との協働でプロデュースした写真展。その活動を通じて看護師と患者の間に引かれたボーダーラインが溶け出し、職業人としてだけでなく「個」の立場から「ケアとは何か」を考えざるをなくなった小川さんや廣田さんたち。
彼女らが、病院から地域へ飛び出す決心をしたあと、次に向き合ったのは「じゃあ、私たちの言う“地域”って一体ぜんたいどこなの?」という問いでした。そしてこの問いは、それまで「ココ今ハウス構想研究会」メンバーたちの意思共有の中で曖昧にされてきた、ある重要な迷いやブレを眼前に浮き上がらせていきます。
どのような取り組みでも多少なりに、どこかで「腹を決め」てブレイクスルーを起こす必要が生じます。kokoimaのメンバーたちにその機会をもたらしたのは、多様な人々とのつながりと、かれらとの間で重ねた対話の数々でした。
そしてそれは足元の地域で、その時(いま)、その場(ここ)でこそ得られる価値に気づくことでもありました。