編集部特別リポート
公開:2018.12.11
「日本看護シミュレーションラーニング学会」設立
2018年11月3日(土)、東京医科歯科大学にて「日本看護シミュレーションラーニング学会」の設立総会・記念講演会が開催された。本学会は英文ではJapanese Nursing Society for Simulation and Learningと表示し、略称はJaNSSL(ジャンスル)となる。
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設立総会では代表理事の岡谷恵子氏より挨拶があり、本学会が2011年に6人の発起人によって始動したこと、その目的は「看護学教育におけるシミュレーション学習の開発、評価、普及に努め、看護学教育の進歩と質の高い看護を実践できる人材育成に寄与し、もって人々の健康と福祉に貢献すること」(学会定款第2条)、また、2020年2月には第1回学術集会(大会長:阿部幸恵氏)が開催予定であることなどが案内された。
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続く記念講演会では「看護基礎教育カリキュラムへのシミュレーション教育の導入」と題して、国際看護シミュレーションラーニング学会(International Nursing Association for Clinical Simulation Learning : INACSL/イナクスル)理事長のBette Mariani(ベッテ・マリアーニ)氏が登壇した。
Mariani氏は、INACSLが開発した「INACSLベストプラクティススタンダード:シミュレーションSM」の構造と内容を解説。これは【シミュレーションのデザイン】【学習成果および学習目標】【ファシリテーション】【ディブリーフィング】【学習者の評価】【プロフェッショナル・インテグリティ】【多職種連携シミュレーション教育】【シミュレーションの運用】に加えて【シミュレーション用語集】から成り、シミュレーション教育における各要素の基準を示したもの。
このスタンダードは2016年に定められたが、教育環境をめぐる各種技術の発展に応じて絶えず更新・編集されるとし、すでに【バーチャルリアリティ】【オリエンテーション】の2項目を作成中との紹介があった(現在「スタンダード」の日本語版・韓国語版・中国語版がINACSLホームページにて公開中)。
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会場には全国から約100人が参加。学習者のレディネスへの配慮、評価の考え方、教員同士の連携など、シミュレーション教育にまつわる質問や意見交換を通じて課題を共有した。本学会では今後、国内外のシミュレーション教育/学習に関する情報提供などを行っていく予定。
代表理事として学会設立の
挨拶をする岡谷恵子氏
INACSL理事長のBette Mariani氏