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「犠牲なき献身」は
どうあり得るのかを
考え続けるしかない。
── 慈善と近代的職業の両立をめぐって
栗原康 × 田中ひかる × 田中ひかる × かげ
座談会
2023年末に刊行されて以来、話題沸騰の『超人ナイチンゲール』(医学書院)。執筆のきっかけとなったのは弊社の『カサンドラ』だとお聞きしました。また同じく2023年に刊行した『明治のナイチンゲール大関和物語』(中央公論新社)も弊社の「ナイチンゲールの越境」注1シリーズを参考にしてくださったとのこと。そこで両書の著者である栗原康さんと田中ひかるさんをお招きし、さらになんと田中さんと同姓同名で、栗原さんとも知己の仲のアナキズム研究者・田中ひかる教授と、看護界からは可愛いネコのイラストでおなじみの看護師のかげさんにも加わっていただき、ほかでは実現しないであろう異色メンバーによる「ナイチンゲール座談会」を開催しました。
討論メンバー
●くりはらやすし 専門:政治学・アナキズム研究。東北芸術工科大学非常勤講師。著書に『大杉栄伝―永遠のアナキズム』『はたらかないで、たらふく食べたい―「生の負債」からの解放宣言』『村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝』など。
●たなかひかる(以下、ひかる)専門:歴史社会学。女性に関するテーマを中心に執筆・講演活動を行っている。著書に『明治を生きた男装の女医 高橋瑞物語』『生理用品の社会史』『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』など。
●たなかひかる(以下、田中) 専門:社会思想史。明治大学法学部教授。専門分野はドイツ・アナーキズム史、ロシア・ユダヤ系移民史。著書に『国境を越える日本アナーキズム―19世紀末から20世紀半ばまで』『社会運動のグローバルな拡散―創造・実践される思想と運動』『アナキズムを読む <自由>を生きるためのブックガイド』など。
●看護師のかげ 現役看護師として臨床現場で働きつつ、「看護師のかげ」としてイラストや執筆などを幅広く手掛けている。著書に『現役看護師かげさんの 明日を生き抜く看護メンタル』『かげさんの実習おたすけノート』『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖』など