「『100万回生きたねこ』の作者としても知られる詩人の佐野洋子。この本は、親の介護をすることによってもう一度母というひとりの女性と出会い直す物語です。」
『シズコさん』
佐野洋子 著
新潮文庫/2010年/490円+税
「ずっと、母さんが嫌いだった。ずっと、ずっと嫌いだった」という葛藤と、高級老人ホームに「母を金で捨てた」という負い目──母と娘でしか、異性の親子間では決して理解できないであろう女同士の愛憎関係が生々しく綴られる。200ページほどの薄い文庫本だが、すいすいと読み進められない重みがそこにある。秋の夜長に少しずつページをめくってみてはいかがだろうか。
さやのもとクリニック(2015年):佐賀県にある認知症のケアを中心とする施設。かつての農工具の図鑑や、季節別にまとめた地元の食事を紹介する本など、懐かしい記憶の断片になるような選書を行っています。家族のストレスアウト用の本も展示し、つかの間の安息を感じてもらえるように心がけました。
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