『戦後の女性誌を牽引したひとりである石垣りんは、銀行の事務員として自ら働いてきた人。地道に働きつつ詩作を重ねた彼女が、女性の日々の家事を詩の中に取り込みました。彼女がそこで感じたことや見た風景は、どんな時代の女性にも刺さるような気がします。』
しばらくの間、あるいは長期にわたって、ウイルスとの共存生活が続きます。「ひとはみんなで空をかついできのうからきょうへと。子どもよおまえのその肩におとなたちはきょうからあしたを移しかえる。この重たさをこの輝きと暗やみをあまりにちいさいその肩に。」——子どもたちが背負うことになる重荷をいかに軽くできるのか、今こそ真剣に考えるべき時ではないでしょうか。
『空をかついで』
石垣りん 著
童話屋/1997年/品切・重版未定
城崎温泉 泉翠 図書室(2019):大谿川沿いの表通りから一本入った静かな場所に建つお宿のリニューアルに合わせて設置された「図書室」。「自然」「きれいなもの」「食」「体」「自分」「よのなか」という6つのテーマに向き合う、200冊強の書籍を設置しました。いろいろな座り心地の家具も控えめに配され、外湯めぐりの合間に遅効の読書を愉しんでいただけるはず。
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