「日本文学史上、最“狂”の夫婦喧嘩を描いたといっても過言ではない『死の棘』と、その主人公であった島尾ミホの真実をあぶり出すノンフィクション『狂うひと』。だんだんと壊れていく2人の関係と精神が、やがて至高の愛とも呼べる境地に辿り着くから不思議です。そういう意味で『死の棘』こそ、究極のラブストーリーと呼べますし、『狂うひと』を読み細部を知ることで、よりこの名作が味わえることうけあいです。」
『死の棘』島尾敏雄
新潮文庫/1981年/907円(+税)
『狂うひと』梯久美子
新潮社/2016年/3,240円(+税)
太平洋戦争直後の日本、歪な愛と極限状態で結ばれる一組の夫婦が存在した。夫の不貞を知り、優しかった妻が少しずつ壊れていく様子とその苦悩を描いた島尾敏雄の私小説『死の棘』。妻であるミホの生涯を未発表原稿や日記、膨大な紙資料によって掘り起こす評伝『狂うひと』。「戦後文学史に残る伝説的なカップル」として名を馳せた島尾夫婦の真実に迫る強烈な2冊。
千里リハビリテーション病院(2007年)
脳梗塞のリハビリ患者さんに“効く”本を1,200冊選書しました。ポップアップやパラパラブックなどの手を動かすものから、詩や絵本のような短い言葉のもの、青春時代を思い出すようなものごとを扱った本など、リハビリに励む患者さんの調子が1mmでもよい方向に向かうようなものを選びました。
www.bach-inc.com
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