インフォメーション・エクスチェンジ26看護師長が同じ立場でつながり看護管理の魅力を探す新たな取り組み~仕事はやるからには楽しく、そして美しく~企画:坂本和美(金沢市立病院)、浦美奈子(石川県済生会金沢病院)、野村仁美(独立行政法人地域医療推進機構金沢病院)、松田琴美(金沢医科大学病院)、坂本早苗(公立能登総合病院)、中西容子(金沢市立病院)

 

●役割委譲についての情報交換

石川県看護協会職能委員会では昨年、看護師長が本来の役割をいきいきと発揮できることを目的とした研修を、県内4地区にて計4回実施した。毎回30〜40名の参加者があり、本年度も開催を予定している。

 

管理職である看護師長に必要なスタッフへの役割委譲は、患者の安全と看護の質が担保された状態で行われている必要がある。研修会ではその実態を明らかにし、受講者同士が意見の交換と共有を行うことで、施設の枠を超えたつながりを促した。こうした交流を通じて、互いの役割を発揮するための支援や学びの内容を明らかにしていくことがねらいだ。

 

●悩みを分かち合い、本音で話し合う

研修会後のアンケートでは「病院の規模が違っても悩みや課題は同じだとわかった」「師長同士で自分を飾らず本音で話し合えた」「多くの意見が聞けて、終わったあとに元気が出た」などの前向きな意見が多く見られたという。また本セッションの質疑応答時には、研修会に参加した師長が次のような感想を述べていた。

 

「勤めている病院で、外来師長から病棟師長へ移動の話が出て悩んでいた時にこの研修を知りました。それまで外来の師長という仕事を楽しいと思ったことがなく、病棟に移ってもちゃんと務まるのか不安でした。研修で講義を聞き、同じ師長の人と初対面とは思えないくらい打ち解けて話し合えたことで、視点を変えることの重要性に気づき、立ち止まって考えることができて楽になれました」

 

 

 こうした研修を通して、他施設で働く看護師長同士が意見や情報を交換し合うことはとても有益だ。研修に参加した看護師長が本来の役割を果たしている姿は、部下に管理職の魅力を伝えることにもなるだろう。

 

 

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