人文書売り場担当者が選んだ 「考える作法」が学べる13冊

疑問を持ち悩む人はみな哲学者

『14歳からの哲学  考えるための教科書』

 池田晶子 著/トランスビュー

 

生きるとは、死ぬとは、人生とは……。そんな疑問を持ち悩む人は、みな哲学者だと池田先生は言います。自分で考えるとは一体どういうことなのか? 誰もが当たり前と思っていることを一度立ち止まって考えてみたい時に、まずおすすめの1冊です。「自分の哲学」を考えるための入門書。

1

何から読んでいいかわからない人に

『高校生のための  哲学・思想入門』

 竹田青嗣、西 研 編著/筑摩書房

 

哲学の本を読んでみたいけれど、何から読めばいいのかわからない。なんとなくもやもやするけど、一体何について考えたいのか、自分でもよくわからない……。そんな人におすすめです。代表的な哲学者とその主著について、短いながらもていねいに説明されており、章ごとに載っている問題設定を見ていくと、自分の知りたいものが見えてくると思います。

2

空気を読むのとは異なる思考法

『入門!論理学』

 野矢秀樹 著/中央公論新社

 

この世界では筋の通った話よりも、当人同士でしかわかり合えないコミュニケーションやその場ごとの判断が重要視されます。でも、それとは正反対の徹底的に論理的な思考法を知ると「空気を読む」ような方法とは別の全く考えてもみなかった結論にたどり着けるかもしれません。野矢先生の楽しい文章に油断していると本格的な論理学の授業が始まって少し萎縮してしまいますが、普通に生活しているだけでは身に付けられない問題解決の思考が学べます。

3

すさんだ時代の誠実な人間のありかた

『寝るまえ5分のモンテーニュ「エセー」入門』

 アントワーヌ・コンパニョン 著、山上浩嗣 訳/白水社

 

ルネサンス期におけるフランスの哲学者、モンテーニュが人間に対する自身の考えを綴った「エセー」の入門書。人生の大半が宗教戦争の混乱の中にあったにもかかわらず、彼の思想は明るく誠実なものでした。その源は一体なんだったのでしょうか……。1章が4~5ページでできていて、まさにタイトルどおり寝る前の5分間、全部で40章あるので1カ月半ほどで「エセー」の世界に飛び込めます。

4

人生相談そのものを哲学する

『哲学の先生と人生の話をしよう』

 國分功一郎 著/朝日新聞出版

 

今をときめく若手哲学者、國分功一郎さんによる人生相談本。読者の疑問や悩みに著者が回答を寄せる形式になっていて、その回答は哲学をもとに導き出されたもの。人生に役立つ哲学が学べます。

5

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