今回の視点 〜 編集部より

 

社会福祉法人グローが「福祉」を超えて「真の意味の地域生活支援」を考えぬこうとした背景には、支援という行為をめぐっての真摯な問いが原点にあり、彼らはNO-MAという芸術表現の場づくりを通してその答えを見つけようとしています。

 

ではなぜ「支援」について考える時に「表現」という概念がキーになるのでしょう。それは、当事者と支援者そして社会との間に存在する埋め難い断絶を取り持つ媒介としての可能性がそこに秘められているからではないでしょうか。つまり表現というアクション自体が極めて個人的であったとしても、表現を介して共有されるものは多くの人がそれぞれに再解釈可能な普遍的ナラティブになり得るからです。

 

──強烈な表現が自ずと抱える普遍性を前にしたときに浮かび上がるのは、「障害と健常のボーダー(境界)は一体どこにあるのか?」という問いだ。それは、「そもそも“支援”とは一体どこからどこまでを指すのか?」という問題提起を、通常の障害福祉事業としては前代未聞の「美術館運営」という実践を通じて理屈のみではなく「地」でやっている、と言い換えられるだろう。(本文より)

 

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