哲学入門を志す人のための読書案内 ④

 

優れた哲学書は、自分自身で考えるための良き伴侶となることでしょう。ここでは、自分自身で考え始めたいと思っている方のために、良き哲学書をご紹介します。

 

本を読むということは、思考することと同じです。それは、本を読むことによって、独自の解釈を創造することだと言えるでしょう。ですから、「読書こそが、自分でものを考える力を養っていく」と言えるのです。

『野生の思考』(クロード・レヴィ=ストロース/みすず書房)

 

本文と用語解説で紹介した「野生の思考」について書かれています。手っ取り早く「野生の思考」について知りたい方には、第八章から読むことをお勧めします。この章では、レヴィ=ストロース自身によって、「野生の思考」がどのような思考であるのかが記述されています。なお『野生の思考』は1962年に出版された本ですが、この本の1ページ目には「メルロ=ポンティの思い出に」と、前年に亡くなったメルロ=ポンティの名前が掲げられています。

 

 

 

 

 

 

『見えるものと見えざるもの』(モーリス・メルロ=ポンティ/法政大学出版局)

 

メルロ=ポンティの死後に刊行された遺稿です。この本に収録された「研究ノート」の中に「野生」についての記述がいくつか見られます。メルロ=ポンティの「野生」について知りたい方は、手に取られることをお勧めします。この本は大変難しい本ですが、『知覚の現象学』と同様に、自分自身で考え始めたいと思っている方にとって打ってつけの哲学書であることは間違いありません。

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