7

街の人生

岸 政彦 著/勁草書房

 

誰の人生にも流れる濃密な時間

ゲイやホームレスなどのマイノリティと言われる人たちの語り。解説などは最小限に抑えられ、当事者たちの声をその場で聞いているような臨場感のある本です。まったくの他人にも、自分と同じかそれ以上に長く濃密な人生の時間が流れている……。それを知ると、生きていく上での強力な味方を得たような、大きな安らぎを覚えます。そして読んだあとに世界の見え方が少し変わります。同じ著者の『断片的なものの社会学』もおすすめ。

8

自由はどこまで可能か  リバタリアニズム入門 森村 進 著/講談社

 

個人の自由とはなんだろう?

もし、すべてを個々の自由に任せると、世界は大混乱に陥りそうな気がします。だとすると、私たちの今の状態はどれくらい「自由」なのでしょうか? 知らぬ間に自分たちが「自由ではない」状態に甘んじているとしたら? 私たちが国家によって縛りつけられているのだとしたら? 一歩先を行く自由の思想を学ぶことで、新しい価値観の一つを知ることができます。

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それでも日本人「戦争を選んだ 加藤陽子 著/朝日出版社

 

それでも私たち「戦争を選ぶのか

安保法制、デモ、憲法、戦争といった言葉をよく耳にする昨今ですが、かつて戦争をした日本は、どのような決断を重ねてそこへ至ったのでしょうか。当時の日本人だって、現代の私たちと同じように戦争を望んではいなかったはずなのに……。戦争に至った歴史をていねいに読み解く過程を見ることで、過去の事例というものが、現在の我々が下す判断の大きなヒントになることを教えてくれます。

教養と看護 編集部のページ日本看護協会出版会

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