哲学入門を志す人のための読書案内 ②

 

優れた哲学書は、自分自身で考えるための良き伴侶となることでしょう。ここでは、自分自身で考え始めたいと思っている方のために、良き哲学書をご紹介します。

 

本を読むということは、思考することと同じです。それは、本を読むことによって、独自の解釈を創造することだと言えるでしょう。ですから、「読書こそが、自分でものを考える力を養っていく」と言えるのです。

『超人の倫理──<哲学すること>入門』(江川隆男著/河出ブックス)

 

いわゆる概論的な「哲学入門」ではなく、著者自身の思考の実践と足跡を記した、まさに自分自身で「哲学すること」が如何なることであるのかを考えるのにこれ以上ない「哲学入門書=哲学書」です。スピノザ、ニーチェ、ドゥルーズとともに、「この私」の一つの生の肯定という本質的な事柄について問題提起しています。

『先生はえらい』(内田樹著/ちくまプリマー新書)

 

「出会うべくして出会う」ということが、どういうことなのかを考えたい人にお勧めの一冊。タイトルだけ見ると、権威を振りかざすような内容なのではと懸念する方もいるかもしれませんが、内容はいたって哲学的です。様々な例を用いて著者の思考を平易に記した、これぞ「哲学書」と呼ぶにふさわしい入門書です。次回以降で取り上げる予定の「コミュニケーション」や「創造」についても触れています。

教養と看護 編集部のページ日本看護協会出版会

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