看護師が臨床の場で抱いていて、
けれども言葉にできない何か=看護のすぐれた「暗黙知」を、
学術論文として言語化=「可視化」する試みを通して、
更に新たな知をつくり出す。
―看護師一人ひとりが自らこの先の看護を切り拓いていく、
というコンセプトのシリーズです。
入院する患児に集中しがちな、きょうだいへの医療者・家族のケア・支援に着目
小児集中治療室(PICU)に入院中の子どもに面会する場面で、きょうだいはどのような体験をしているのでしょうか。看護師である著者がきょうだいと両親、医療者に行ったインタビューで得られたナラティブデータの緻密な分析から、患児のきょうだいを支援する手掛かりを模索します。
A5判 136頁
定価2,970円(本体2,700円+税10%)
ISBN978-4-8180-2753–4
内容紹介
西名諒平 著
シリーズ表紙
リニューアル
主な内容
Ⅰ プロローグ〜入院児のきょうだいへの支援
Ⅱ きょうだいの居場所をつくる
〜小児集中治療室入院児と面会するきょうだいに対する医療者の支援
Ⅲ 面会の場で医療者に求められるきょうだいへの支援
Ⅳ きょうだいを主役にする
〜小児集中治療室入院児と面会するきょうだいへの働きかけ
Ⅴ 入院児との面会によるきょうだいへの支援
Ⅵ きょうだいを含めた家族への支援
Ⅶ Appendix Grounded Theory Approachを用いた研究の道程
医療的ケア児の母親を“子どものいちばんのケアラー”へと導くために
医療的ケア児の母親へのインタビューを通して、わが子に行う医療的ケア技術の修得までのプロセスと、子どもの障害を知って苦悩する段階を経て、在宅療養に慣れ子育ての喜びを感じるようになるまでの心理的変化を明らかにしました。また、医療的ケア児の両親や在宅療養に関わる専門職のリアルな声も掲載。看護職、医療的ケア児等コーディネーター、ケアマネジャー、相談支援専門員等、小児医療にかかわる人にぜひ読んでいただきたい一冊です。
A5判 128頁
定価2,750円(本体2,500円+税10%)
ISBN978-4-8180-2564–6
内容紹介
草野淳子 著
主な内容
プロローグ─在宅療養の開始にあたりママたちに医療的ケア技術の修得が必要になったわけ
Ⅰ ママたちの語りからの分析
Ⅱ ママたちの医療的ケア技術の修得プロセスを読み解く
再発がんを宣告された患者にとって“「死」の近さ”とはどのようなものなのか
進行がん患者の「死」に対する捉え方は、病期の移行とともに変化する。再発を告げられたとき、積極的治療の終わりに近づいたとき、そして緩和ケアへと移行するとき、人それぞれの多様な「死」への捉え方の変化が現れる。本書では現象学的アプローチを用いたがん患者の語りの分析から、そうした患者にとっての“「死」の近さ”について考察する。
A5判 128頁
定価2,750円(本体2,500円+税10%)
ISBN978-4-8180-2563–9
内容紹介
川端愛 著
16人の熟練訪問看護管理者の“言葉”で明らかになったスタッフ活育法から
“看護の本質”を理解する!
シリーズ【看護の知】初の在宅領域となる本書では、16人の熟練訪問看護管理者たちの臨場感あふれる“生の声”を豊富に紹介。在宅看護の“実践知”が言語化されており、スタッフの育成に役立つとともに、訪問看護師が自らの実践を振り返るときの参考になる。病院の退院支援部署だけでなく、病棟ナースが、退院先である“真の在宅看護”を知ることもできる最適の書である。
A5判 160頁
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN978-4-8180-2400–7
内容紹介
中村順子 著
主な内容
I プロローグ――看護師の持つ“よきもの"を呼び醒ます関わり
II 期待する訪問看護師像を示す
III スタッフを活かすために管理者自身が行っていること
IV スタッフを活かすための3つの関わり方
V トライアングルの中にある価値の双方向性の確信により三者が活かし・活かされる
VI スタッフを“活かし・育てる"関わりのさらなる展開
VII 管理者の実践知としての“訪問看護の在りよう"
VIII 訪問看護管理から導かれた看護実践・看護教育への提言
患者や家族に行ったケアへの後悔や罪悪感からくる看護師の「痛み」とは。
患者や家族に対して行ったケアへの後悔や罪悪感によって、看護師が臨床現場で経験する切実な「痛み」の実態とは……。新人からベテランまで、10人の看護師たちへのインタビューで得た語りから、専門職としての足場を揺るがすほどの経験がもつ意味と、それぞれの葛藤と克服の先にある成長や自己形成の道筋をたどる。
A5判 144頁
定価2,420円(本体2,200円+税10%)
ISBN978-4-8180-2388–8
内容紹介
上田理恵 著
医療事故に関わったスタッフをどう支援するのか、26人の看護師長へのインタビューで明らかにする。
医療事故に関わったスタッフの支援と組織的な対応との橋渡し役となる看護師長は、さまざまな形の葛藤や困難に直面する。本書は26人の師長たちに丁寧なインタビューを重ね、その支援内容やプロセスの詳細を明らかにしている。事故を起こしてしまった当事者のメンタルヘルス対応や、かれらを支える組織体制・支援ツール開発に役立つ事例分析を豊富に収録。
A5判 176頁
定価2,750(本体2,500円+税10%)
ISBN978-4-8180-2306-2
内容紹介
福田紀子 著
主な内容
Ⅰ プロローグ──医療事故と看護師のメンタルヘルス
Ⅱ 当事者支援のプロセスで看護師長が直面する困難な状況
Ⅲ 看護師長による当事者支援を構成する5つの現象
Ⅳ 看護師長による当事者支援の困難さを読み解く
1人の看護師の生きた時代、人生、そして看護との相互作用を探る!
時代や家庭環境など様々な制約のため、理不尽を感じながらも、女性が自立できる職業である看護職を選んだ人。自ら選んだわけではない病いに理不尽を感じ、看護師に怒りをぶつける患者。怒りをぶつけられた看護師は不条理を痛感しながらも、患者との関係を引き受け、看護師としての責任を負うことを選ぶ。
看護も人生も、時に挫折することがあっても、「負けるが勝ち」と誠意を尽くしてがんばることで、挫折は勝利に転換する可能性を秘めている。
サルトル哲学を援用した宮子あずさ流「看護と人生」研究本。
A5判 144頁
定価2,420円(本体2,200円+税10%)
ISBN978-4-8180-2280-5
内容紹介
宮子あずさ 著
川名るり 著
内容紹介
現場で培われた看護の「わざ」は、雑談の場で伝わる!?
臨床の場では、学校で教えられた「看護技術」とは異なる、現場で培われた巧みな「わざ」が存在する。しかしそれは、組織の正式な伝達の場(カンファレンスなど)では、あえて伝えるほどのことではないとみなされている。では、そのような「わざ」はどのような場で、どのように他者に伝わっていくのだろうか。本書は知性と感性あふれた病棟のエスノグラフィーである。日常の中に埋め込まれた看護の知の発見と、その伝達方法を追うユニークな探究が始まる!
主な内容
Ⅰ プロローグ―「わざ」の伝達プロセスを追う
Ⅱ 病棟の概要
Ⅲ 日常的実践の中の「わざ」
Ⅳ 小児病棟の看護師文化と看護実践
Ⅴ 「わざ」を伝達する過程
Ⅵ 伝達の場としての雑談
Ⅶ 「わざ」の社会的学習
日々の臨床の場は、たくさんの小さな看護の知であふれている!
看護師ならば誰もが、患者の様子になんとなく「いつもと違う」と感じ、それと同時に、状況を詳細に精査し判断するまでもなく、最善を目指して思わず行動したことがあるだろう。その行為には「その看護師固有の知が埋め込まれている」と考えた著者は、実践の「知」をめぐる探究を始め、確信を得た──看護の知はEBNだけではない。日々の実践の中に、自分でも気づかないようなたくさんの小さな知が集積しているのだと。
A5判 168頁
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN978-4-8180-2264-5
内容紹介
大谷 則子 著
主な内容
Ⅰ プロローグ──「いつもと違う」と感じ、
思わず行う看護行為を探究する
Ⅱ 6人の看護師の「いつもと違う」と感じ、思わず行う
看護行為の記述
Ⅲ 日常の看護行為に内在する実践の知
Ⅳ 「いつもと違う」と感じ、思わず行う看護行為に内在する
実践の知を読み解く
Ⅴ 「いつもと違う」と感じ、思わず行う看護行為に内在する
実践の知に特徴的な要素
Ⅵ 「いつもと違う」と感じ、思わず行う看護行為に内在する
実践の知の発展
難治性のしびれをもつ患者の「生きる経験」に現象学的な記述で迫る。
中枢神経や末梢神経の障害などによって引き起こされる「しびれ」の症状は、他者からの理解が得にくいことから患者の孤独と苦悩が大きく、ケアする者も対応に難渋する。著者はそうした「しびれ」のあり様をとらえるため、患者の身体経験に着目し彼らの言動や振る舞いを詳細に記述することで、看護師と共有された経験としての意味づけを丹念に行った。本書を通して、病んだ身体」をもつさまざまな当事者とその家族、医療者がそれぞれに抱える困難性を「主観/客観」という二項対立を超えることで克服しようとする現象学的態度の臨床的意義を明らかにする試み。
A5判 264頁
定価3,300円(本体3,000円+税10%)
ISBN978-4-8180-2193-8
内容紹介
坂井 志織 著
蛭田 明子 著
内容紹介
子どもを亡くした女性と家族を医療者はどのように支援できるのか
死産や新生児死亡を経験した女性の語りを通して、これまで浮き彫りにされてこなかった女性の本当の想いを知ることで、医療者に求められる有用な支援は何かを考えます。
A5判 176頁
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN978-4-8180-2056-6
主な内容
Ⅰ プロローグ――女性の語りに耳を傾ける
Ⅱ 4人の女性の語り
Ⅲ 家族の変容における女性たちの体験
Ⅳ 語りを読み解く
Ⅴ 看護者は女性たちをどのように支援できるのか
「気持ちいい」体験を現象学的視点から掘り下げる
これまで当事者の視点で探求されてこなかった患者の「気持ちいい」体験を、患者の語りを通して本人の視点でとらえ直すことで、病いをもつ患者へのケアのあり方を考えます。
Ⅰ プロローグ――患者の「気持ちいい」体験を探るために
Ⅱ 患者の語り
Ⅲ 患者の語りからみえてきたこと
A5判 232頁
定価3,080円(本体2,800円+税10%)
ISBN978-4-8180-2062-7
内容紹介
主な内容
島田 多佳子 著
〜論文募集〜
シリーズ「看護の知」として出版する博士論文を随時募集しています。
応募に際して費用はかかりません。
●応募条件
・博士課程の学位論文として受理(審査を通ったもの)されていること
・学術論文誌での公表が済んでいること
●出版条件
・弊社で審査を行い、出版の可否を検討します。
・書籍化にあたっては、編集部との協議のうえ、リライト・再構成をご本人にしていただきます。
・出版後は、出版契約にもとづき原稿料をお支払いします。
●応募書類
・博士論文(全文)※コピーでも可
・論文の要約 (400 字以内)
・出版意義の説明(400 字以内)
・指導教授による推薦状(書式自由)※任意
・ご連絡先(所属、氏名、住所、電話番号、メールアドレス)
以上を下記までご送付ください。
【送付先】
〒112-0014 東京都文京区関口 2-3-1
株式会社 日本看護協会出版会 編集部
シリーズ「看護の知」担当あて
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シリーズ「看護の知」編集部(伊勢崎)
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