ケース一覧

年齢性別

疾患名

ケースの概要

Web公開

case A

50代男性

大脳皮質基底核変性症

若年発症で大脳基底核変性症という特殊な認知症疾患に加え、潰瘍性大腸炎の治療もあった。初期に家族と本人が社会的に孤立して介護を抱え込み、家族介護者の精神的負担が大きかった。専門職による介護に抵抗が強く、そのぶん家族への負担が増しており、家族からも専門職に対する不信感が常にあるなかで、終末期の治療の方針(胃瘻)の意思決定をしなければならなかった。

ケースの概要と

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書籍掲載

case 01

70代女性

レビー小体型認知症

家族介護者の熱心な介護により在宅での看取りが実現。在宅では主介護者が家族内でサポート体制をつくり、介護ができる体制をとっていた。そのため精神症状の増悪もなく経過できていた。悪性腫瘍が発覚したが、在宅での緩和ケアにより在宅での看取りが実現した。しかし、身体的管理が多くなったため、最期の時に家族介護者の貢献が少なくなってしまった。

case 02

50代女性

アルツハイマー型認知症(若年性)

最初にかかわった者の対応がよかったため、早期のチーム構築につながっている。専門職チームが医療を中心に対処し、先を見越したケアが提供できている好例。若年性認知症で独居のため、どこまで一人暮らしが可能かという問題がある。本人の意思をどのようにサービス提供に組み入れられるかが課題。

case 03

70代女性

アルツハイマー型認知症

本人に病識がなく独居を希望。遠方に住む家族も「本人の気持ちを尊重する」とし、在宅生活を継続。初期のサポートが手薄で認知機能低下や易怒性などが目立った。肩の脱臼の多発を自己管理できず生活上の危険度が高い。在宅生活の破たんが目に見えているが、家族は話し合いに応じない。施設入所ができないため、介護老人保健施設のロングステイを利用し在宅生活を続けていた。問看護を導入。

case 04

80代女性

アルツハイマー型認知症

家族介護者のみでは症状マネジメントが難しく、認知症治療病棟への入院から介入が始まった例。入院中にサポート体制を構築し在宅へのスムーズな移行ができた。かかりつけ医と専門医の連携で症状マネジメントが円滑に行われ、適切なサービス導入ができていた。終末期への移行に向け必要なサポートを導入し、在宅での看取りを目指す。を起こし、ケアマネジャーが根気強く介入して訪問看護を導入。

case 05

60代男性

意味性認知症(若年性)

家族と介護事業者の間で、初期の段階から共通認識を持つことができなかった。社会的迷惑行為が出現しやすい状況での支援が難しく、認知症治療病棟で入院対応するしかなかった。 受け入れ施設が少なく入院期間が長びいたが、最終的に入所できた施設で生活が可能となった。自発性の低下に伴い食事が摂れなくなり、誤嚥性肺炎で死去した。

case 06

60代男性

脳血管性認知症(若年性)

自身で若年性認知症に気づき一人で治療を進めていたため家族に不信感があった。 経過が緩やかで、 作業療法のグループワークに参加しリーダー的存在となる。アミロイドpet検査でアルツハイマー型認知症から脳血管性認知症に診断が変更。易怒性が高まり不安になった家族がケアマネジャーに相談せず小規模多機能施設に変更。受け入れ条件が本人の状態と合わなかった。

case 07

60代男性

アルツハイマー型認知症

(若年性・膀胱がん)

定年後に若年性アルツハイマーと診断される。認知機能の悪化やBPSDを惹起するため、家族の協力で断酒。  退職後は若年性認知症のグループ活動に参加し、家族も家族会で良好な人間関係を築いた。さまざまな民間療法も楽しみながら積極的に試していた。 本人の希望で膀胱がんの手術を実施。その後イレウスや脱水など身体状態はよくなかった。人工肛門を造設したがBPSDの悪化は目立たず、在宅ケアが継続した。最期は病院での看取りを選択した。

case 08

80代男性

レビー小体型認知症

家族が初期症状への対応を知らず、薬剤性のせん妄などから暴力を助長。妻を骨折させ認知症治療病棟に入院した。 退院を目指し試験外泊した際に転倒し再入院。その後も症状のため転倒を繰り返し一時的に身体拘束。 入院中はスタッフの努力で拘束をなくし徐々に回復した。退院に向けサポート体制構築のため多職種カンファレンスを開催。妻が高齢で介護力がなく小規模多機能施設の選択となった。

case 09

70代男性

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症と診断を受けた後の、フォロー体制が万全ではなかった。BPSDが激しくなってきたため専門医療機関を受診した際、疲弊していた家族に適切な助言やサポートが行われず、その後の対処がうまくいかずに入院となった。認知症看護認定看護師によるコンサルテーションを受けた。BPSDが遷延してしまい、受け入れ施設が見つからず入院期間が長期化した。

case 10

90代女性

疾患未鑑別

本人・家族ともに行きつけの接骨院スタッフを強く信頼しており、介護保険サービス以外の医療機関につなげなかった(接骨院からの協力はない)。娘が本人と身体の弱い夫を一人で世話していた。結核のため医療につなぐが継続できなかった。頻回のやけどや脱水を起こし、ケアマネジャーが根気強く介入して訪問看護を導入。

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