本書の執筆者と読者から寄せられた
報告・感想をご紹介します
コロナ陽性者在宅療養訪問業務に従事して
〜今だから話せることがある
松本京子さん(file #042「緊急事態宣⾔下での看取り──ホームホスピスと訪問看護ステーションにおける取り組み」)
株式会社なごみ代表取締役/NPO法人神戸なごみの家 理事長
入院待機者が1,500人を超え……
第4波は関西において予想をはるかに超えてコロナ陽性者が増加し、医療、行政、在宅を問わず感染力の強い変異株に翻弄されてきました。サービス利用者の感染や近隣の30歳代だった職員の突然の死を聞き、ホームホスピス、訪問看護ステーションをはじめとする感染対策強化に取り組みました。
5月からは神戸市のコロナ陽性者への在宅訪問業務に参加し、毎日訪問に行くことにしました。ワクチンも受けない中で多少の不安もありましたが、入院待機者が1,500人を超えるという情報を知り、何かできることからと思い参加しました。まず、神戸市から曜日や時間に関係なく電話で依頼が入り、管轄の保健センターからの詳細情報を受けて訪問を開始します。スタッフには通常訪問がありますから、コロナ陽性者を担当するのは管理者が主となります。週1回だけ交代要員を準備して、その日は先送りになっていた業務にあて、感染予防のために原則として直行直帰しました。
専用車を1台確保し、感染防護服やN95マスク手袋、フェイスシールド、足袋を積み込んでコロナ患者を訪問していました。
少ない時は1日1人~多い時は5~6人、平均すれば毎日3~4人の訪問をするのですが、感染予防のため1件当たり30分以内でと言われました。でも、ご夫婦で陽性者の場合、状態観察にとどまらず点滴介助、排泄の世話、食事の準備など活動内容は多岐にわたり、想像以上に長い時間を要しました。認知症があって酸素を外してしまったり、夜には徘徊する人もいました。あるいは在宅療養者で誰もオムツ交換する人がいない家もあったりと、1日1回の健康観察ではどうにもならない介護ニーズが高齢者ほど高くなります。
そして、入院ができても後日亡くなったことを知らされ、本来なら入院すべき人が自宅にいることの過酷さを実感しました。それでもご遺族からかけられた「こんな状況の中で入院させていただき感謝しかありません」という言葉には返す言葉もありませんでした。
この日本で起きていること
訪問はこの1ヶ月で13名実施し、状態の悪化によって入院された方が8名、在宅でステロイドや酸素を使用して回復された方が5名でした。入院の8名のうち4名が後日病院で亡くなったのです。独り不安なまま息苦しさや食欲低下を感じながら過ごされた時間がどれほどつらかったか、誰でも容易に想像することができます。また、自覚症状がないまま経過し突然酸素飽和度が低下して重篤化する病気の経過を考えれば、通常なら病院で医療の管理下にあるべき人が入院できない状況なのです。この日本での出来事です。
5月末になり、兵庫県の感染者はやっと減少してきました。しかし、変異株の感染拡大は全国に広がっています。医療のひっ迫によって入院もできずに在宅療養されている方に思いをはせる日々です。
(2021.5.29)
軽症者宿泊療養施設は今……
看護次郎さん(file #030 軽症者宿泊療養施設での勤務を経験して)
看護師
看護師は増えたけど、施設と患者も増えている
都の宿泊療養施設で業務を始めて1年が経過しました。執筆当時と比べて最も変わったことは、都の会計年度任用職員よりも派遣会社からの看護師が増えたことです。1人の看護師が複数の宿泊施設を兼務することも多く、各施設でのローカル・ルールはありますが、1年前と比べて施設間の差は軽減されたように思います。
看護師が増えても、宿泊施設と患者は増えています。人員不足から派遣会社は宿泊施設の仕事を単発でも募集しており、1日だけしか来ない看護師もいます。会計年度任用職員や勤務歴が長い派遣看護師がフォローしていますが、看護の質の担保のためにも継続して勤務できる看護師が増えることが望まれます。
(2021.5.31)
いつか前線で奮闘している仲間と一緒に働きたい!
加藤明子さん(コラム #04「新型コロナウイルス感染と労災保険」)
加藤看護師社労士事務所
1月 ──「支えたい」という気持ちに応えたい
年末年始にかけ、各医療機関で公表されているHPを調べていきました。医療機関を支援したい、でもどうやったらよいかわからない、そのような人たちの声をうけ、募金活動をしているHPを紹介することで、「ありがとう」という気持ちと経済的な応援を合わせた支援ができるのではないか、と考えました。
3月 ── 看護師が一般の人々に「伝える」ことの大切さ
東京都の社労士会にて、医療機関を支えたいと思う社労士の方向けに研修を行ったのですが、 『新型コロナウイルス ナースたちの現場レポート』を紹介しました。その後、読んだ社労士の方から現場の様子を知ることができて良かった!という感想をいただきました。「医療現場が大変だというニュースは聞いているけれど、どのように支える活動をしていけばよいかわからない」などという声も聞き、現場の看護職が一般の方たちにも協力していってほしいことを 丁寧に伝えていく、ということの大切さを感じています。
4月 ── 本書を読んで、心が燃えるように熱くなり……
私自身、レポートを読んで心が燃えるように熱くなり、看護師免許を役立てたい、いつか前線で奮闘している仲間と一緒に
働きたいという気持ちになり、求人を見るようにしました。東京都看護協会の筋肉注射の手技確認の研修を受講し、 バイタルサインやフィジカルアセスメントを学習できるカードを書店で購入して、毎日一度は開いて確認するようになりました。
現場に立つ日のために勉強中!
5月 ── 社労士としてできること
そして…ワクチン集団接種が始まり…スポットでの求人に応募し、今は時々ワクチンナースとして、区が運営するワクチン集団接種業務に従事しています。本業の社労士業務があるため、平日はなかなか時間がとれないのですが、ワクチン接種業務に関与することで、重症化する患者さんを防いだり、最前線で働く医療職の負担を減らせたら、という想いで取り組んでいます。知り合いの医師や看護師と協働して、集団接種会場の急変対応の物品を整理したり、区に運営上の要望や提案をするなどして、少しでも医療従事者および被接種者が安全にワクチン接種を受けられるようにと考えています。
また、社労士に向けても、ワクチン接種の必要性や、正しい情報の取り方、副反応を予測した勤務調整、接種後であっても感染対応には引き続き取り組むことの必要性を啓蒙するようにしています。社労士は中小企業の労務管理等を担うことが少なくありませんから、中小企業の役員・従業員さんたちに、そしてそのご家族にも伝わるとよいな、と思っています。
(2021.6.1)
“人が生きる”という意味を問いかけてくれている
髙橋則子さん(読者)
学校法人慈恵大学 看護担当理事
この分厚い本を手にした時、162人の貴重な体験を共有させてもらえることに、読む前から形容しがたい畏敬と感謝の念を覚えました。少し読んだだけで、多くの人にぜひ読んでもらいたいと思い、法人理事会メンバーや運営する大学、専門学校、病院看護部、友人などにどんどん送りました。すると、外部理事の方から長文のお礼状をいただき、そこには「“人が生きる”という意味を問いかけてくれているように思う」という感想が書かれていました。
本書を読み進めていくと、想像を絶する困難な中でも看護職の強い使命感に支えられた行動力に感謝と敬意の気持ちが膨らむばかりでした。初期の頃は重症化した患者さんは家族にも会えず、亡くなった後でさえ遺骨になってからの対面という現実に、残された家族の切なさ、看取った看護師が感じた憤りや悲しさ、申し訳なさをひしひしと実感し、涙せずにはいられませんでした。つらく理不尽な現実も含めて、新型コロナに看護職がどう立ち向かったのか、貴重な歴史書となり得る本だと思っています。
(2021.6.3)
コロナ病棟看護師長の葛藤とワクチン接種〜今だから話せることがある
ロッシ真由美さん(file #057「父上・母上様、野戦病院のような感染症病棟で働くことになりました。」)
ロンドン大学附属病院 看護師長兼脳神経系看護専門看護師/NPO法人Team WADA Nursing Director
看護師長の心の中・一個人としての苦悩
英国は12月2日に2度目のロックダウンが終了し、多くの人がクリスマス・ショッピングに出かけてしまったため、当然のように年末年始には4月の第1波よりひどい第3波に襲われてしまいました。ちょうどその頃、ようやく医療従事者と高齢者へのワクチン接種が始まり、一筋の希望の光が見えて来た矢先でしたが、急遽年越しを待たずに3度目のロックダウンとなりました。
この第3波は第1派に比べて重症患者の数も多く、コロナ対応病棟の慢性的なベッドやスタッフの不足への対策に追われ続けてきた管理者としての“責任”からくるその大きなプレッシャーは、1年間溜まりに溜まっていたコロナ疲れの体と心にさらに重くのしかかるとてもつらい経験でした。
管理職としてスタッフの精神的なサポートを行いつつ、どのように患者やスタッフを感染から守っていけばよいのか、院内クラスターを防ぐにはどすればよいのか、他職種との連携をスムーズにするにはどうすればよいのか、患者さんを最大限かつ安全に受け入れていくにはどうしたらよいのか……やるべきことは山積みでした。とくに第3波の時はスタッフがコロナ様症状や家族間またはスタッフ同士が暮らすシェアハウス内での感染などにより、政府のガイドラインに沿って出勤できなくなるケースが多く、病棟では常に看護師の数が第1波以上に深刻に不足していました。
連日のように行われる師長会では、限りあるスタッフを安全で効率よく勤務してもらう方策についてのトピックが常に上がっていました。1年ものあいだ野戦病院のような状況で激務に当たってきたスタッフの多くは精神的にかなりの負担を抱えており、更衣室で泣きながら着替えをする者、同僚と楽しく喋る気力を失う者、PTSDとなり長期病欠となる者などがいたり、スタッフ同士で口論したり、きつい態度で同僚をストレスの捌け口にする者も増え、管理職として無力さや限界を感じることも多く、毎日その日の業務をこなすことで精一杯す。さすがの私も精神的にかなり参っていました。
実際、こうした管理職の中にもバーンアウトのようになる者が多く出始めていました。師長も一人の人間です。仕事が終われば家庭・家族のことも心配します。
やがて、師長会での議事録のトップには管理職のストレスマネージメントをどうするかが常に上がるようになりました。私も通常業務以上の仕事量をこなさなければならず、常に気を張り詰めていたせいか、時には独り師長室で、時には日本にいる家族と電話で話している時、悲しくもないのに涙があふれることも多々ありました。自分の心の中でいつもと何かが違う……常に焦心や憤りを常に感じていました。
そんななか、今年1月のおわりに、末期の膵臓がんで療養中だった父が他界したと、母から知らせがありました。コロナ禍で帰国できずじまいで、最後に会ったのは昨年の3月末でした。がんの宣告をされてからは、私が英国に戻る時には必ず「もう会うのはこれが最後かもしれないから、さようならを言っておく」といつも帰り際に言われていました。
親の死に目にも会えず、お葬式にも出られず、海外になんて来なければよかった。私はなんて親不孝者なんだ……と自責の念にかられました。ただ、幸い父のACP(Advanced Care Plan:人生会議)を家族でしっかりと行っていたので、本人は満足して天国に逝けたのかもしれません。一方で、突然コロナで急変し亡くなってしまわれた方のご遺族のことを思うと本当に言葉では言い表せない気持ちになります。
準備から開始まで
ロンドン・イスリングトン地区のビジネスセンターにできたワクチン接種センター。
英国では2020年12月8日、世界に先駆けてファイザー製薬とビオンテック製薬のコロナワクチン接種を、80歳以上の高齢者と医療従事者を対象に開始しました。昨年の秋頃より年内には始まるのでは?と予測されていたため、政府からのゴーサインが出てすぐに対応できるよう、各病院でタスクフォス・チームが中心となって準備を進めていました。しかし、例年秋冬に行われるインフルエンザ・ワクチンの接種と重なったため思いのほか時間がかかってしまい、また当初は一体どのくらいの数量のワクチンが割り当てられるのか、開始時期はいつなのかなどはっきりとした情報が政府より伝わってきませんでした。そんななかで、私は当院でコロナワクチン接種の責任者の一人に任命され、毎日が今まで以上に忙しくなっていき、落ち込んでいる時間すらないほどでした。
英国では医療従事者なら誰でもワクチンの接種を実施できるわけではありません。接種から管理までのリスクマネジメントが厳しく、製品ごとに所定のオンライン・トレーニングを終了し、修了書を所得しなければなりません。集められた担当スタッフは、順次政府のコロナワクチン・タスクフォースによる指導のもと、NHS England (National Health Service England:英国の国民健康保険サービス)が導入したオンライン・トレーニングを受講します。まずはHEE(Health Education England:医療系教育機関)の推奨するオンライン・トレーニングを受けた後、コロナワクチン接種の詳細を記録する全国共通のオンラインシステム(National Immunisation & Vaccination System:NIVS)のトレーニングを受ける流れです。
NHS Englandが全国共通に使用しているワクチン接種のオンラインシステム(通称:NIVS)のガイド(PDF)
当院では、まずは院内で医師・看護師のボランティアを募り順次トレーニングを受けさせました。通常ならばワクチン接種に人数はそれほど必要ありませんが、これまでに前例がない短期間での大規模な実施となるため、3つ大きな病棟をつくるほどの人数が必要でした。
当初は、ただでさえ限られた人数の中からむしろコロナ病棟にスタッフの配置を優先すべきなのに、ワクチン接種をしかもボランティアや通常勤務時間以外でやってくれる奇特な人がいるのだろうか? と半信半疑でした。しかし意外にも医師・看護師または医師・看護師資格を持った大学院生や大学の教職者、閉鎖病棟で勤務するスタッフなどもローテーションで参加してくれる事になりました。英国では医療従事者の人材派遣会社が多数あり、そこに登録しておくと、派遣社員として(通称:バンクスタッフ)通常勤務以外にもバイトとして仕事ができる他、家庭の事情などでフルタイムにて働けないスタッフも時間のある時は気軽に仕事ができるという便利なシステムがある。ワクチン接種にはこうしたバンクスタッフも起用し、通常より上乗せした給料が支払われた為、多くの人材を直ぐに集めることが出来ました。
“ワクチン打った?・副反応あった?” が毎日の合言葉
病院職員のワクチン接種では、全職員の接種に関しては希望者には招待制とし、NIVSに含まれる問診票を使用しました。この全土共通のオンラインシステムは公衆衛生上の大規模なデータを取る目的もあります。このデーターは感染者が多い英国の様にまた様々な人種が集まる国では今後のコロナ対策やワクチン開発にも役立つでしょう。しかしワクチン接種が本格化してきた1月には段々とスタッフ内にワクチンに対する不信感を露わにする者も出て来ました。英国も例外なくコロナワクチンに対して様々な報道やSNSにより誤った情報が拡散されており、接種する側もされる側も不安を払拭できないでいました。
英国BBC放送でも報道されましたが、日本では米国在住日本人医師の山田悠史先生が作成されたLINEコロナワクチン情報サイト・コロワくんサポーターズのように、携帯から簡単にアクセスしやすい専門家情報サイトがありますが、英国ではNHSや政府の特設ホームページから情報入手ができるものの、特にワクチンに関しては情報量も多く専門用語だらけで医療従事者でも判りにくいため、一般の方には中々理解できなかったと思います。
また、ワクチン接種の問診票も医師ですら理解しづらく、たとえばワクチンを形成する特定の成分に関するアレルギーの有無を問う質問などは、接種する側ですら回答が難しい代物でした。そうした経緯もあり、特にアレルギー疾患やアナフィラキシーの既往がある人はさまざまな不安を解消するためにも、院内のアレルギー専門医による問診後に接種できるようにしました。
病院には沢山の職種が勤務しています。医師・看護師でもコロナワクチンに関して誤った認識をもつ者が多いなかでは、ノンメディカルのスタッフはなおさら不安だったことでしょう。管理職は連日、各部門でどのくらいの接種希望者がいて、事前問診の必要性があるスタッフ数などをワクチンセンターへ知らせ、そこから院内メールにて招待案内を送付していました。全職員が参加できる2週間ごとのオンライン・ミーティングでは、ウイルス学の専門家やタスクフォース・チームがワクチンに関すること細かな説明や質疑応答、接種状況や政府の対応策のアップデートなどについて話す機会を設けました。
接種が始まった2020年12月は、医療従事者に対しファイザー製薬またはビオンテック製薬のワクチンのみを使用していました。製薬会社からは3週間後に2回目の接種を行うことが推奨されていましたが、英国政府は2回目の接種を1度目の接種より12週間空ける方針を発表しました。医療従事者の多くはこれに反対していましたが、政府としては早期により多くの人に接種してもらうための苦肉の策なのだ、ということも承知しています。
現在では、年齢と感染のハイリスク・グループを5段階に分別し、2021年5月末の段階で、約76%の成人が1度目の接種を終え、52%が2度目を完了しています。当院スタッフも2回目を終了するまでに約4カ月しかからないスピード接種でした(ロンドン大学附属病院のスタッフ数は約8,200人、うち看護職員は約4,000人)。院内のいたるところで、スタッフらが「ワクチン打った?」「副反応は?」と合言葉のように話している声を耳にしていました。
ロンドン大学附属病院の院内メールに送られてくる#OneTeamの文字(左端は当院のチーフナース:Ms フロー・パネルコート。私のロールモデルとして尊敬している方です)。
政府が段階を分けて一般の方へ提供し始める前に、大規模なワクチン接種センターが各地で開設されました。多くの会場は登録しているGP(General Practitioner:総合診療医・家庭医)の診療施設ですが、その他にもスーパーの駐車場、コンベンションセンター、サッカー場、街の薬局などでも実施されるようになりました。全てGPやNHSから電話やテキストメッセージもしくは手紙を介して自宅に招待案内が来ます。もし予定されている日時に接種会場に行ことが難しければ、電話連絡で変更が可能です。ホームレスの人も多い英国ですが、医師/看護師を含む4人1組のワクチン接種チームが繁華街を歩きながら声をかけて会場へ行くことを促したり、重いバックパックを背負いその場で接種する活動をしばしば見るようになりました。
コロナワクチンの効果は?
ワクチン接種後に、誰もが一番気になるのは「どの程度効果があるの?」でしょう。全世界の人がこのようなパンデミックを二度と経験したくないはずです。しかし、前例のない新しいワクチンの有効性など、今は誰にも正確にはわかりません。当院では早くもワクチン接種開始直後から医療従事者を対象に臨床研究が実施されました。その1つは「Safer Pulse」といい、抗体がどのくらい体内に止まっているかを、1年を通して採血や問診で追跡する研究(www.saferuclh.org)です。もう1つは「ComCov Study」で、世界で初めて行われたコロナワクチンの混合接種 (アストラゼネカ製とファイザー・ビオンテック製)に関する研究(www.comcovstudy.org.uk)。そして3つ目は「Cov-Boost」という、3回ワクチンを接種する研究(www.covboost.org.uk)です。院内で積極的にこの臨床研究に参加するスタッフも多く、結果が出るのが待ち遠しいです。
英国ではいま、インド変異株による感染拡大が危惧されています。私自身の印象では、感染者こそ増加しているものの死亡者数は以前に比べて少ないように感じています。これはやはりワクチンの効果によるものなのでしょうか?
長いあいだロックダウンという特殊な状況がつづくなかで、人々の生活様式や個人それぞれの考え方が変化していきました。医療も然りです。今回のパンデミックで、現在の医療体制や医療システムでは対応しきれないことがあると思い知りました。うまく言い表すことが難しいのですが、私たちは「with COVID」を前提とした生活を強いられつつ、できうる限り臨機応変に、全ての医療従事者が#OneTeam(1つのチーム)として立ち向かっていただきたいと思っています。
──全ての医療従事者への感謝とともに、コロナで亡くなられた全ての方のご冥福をお祈りします。
(2021.6.7)
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