榊原 哲也(さかきばら・てつや)
東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻 哲学専門分野 教授。ドイツ現代哲学、とりわけフッサール、ディルタイ、ハイデガーなどによって展開された現象学・解釈学・実存哲学に関する歴史的・体系的研究を行っている。また、看護やケア一般に関する質的研究法の一つである「現象学的アプローチ」を理論的に基礎づける試みや、看護学研究者ならびに医療現場と連携して、看護、医療という「事象そのもの」の方から新たな「ケアの現象学」や「医療現象学」を立ち上げる試みも行っている。
主な著書に『フッサール現象学の生成─方法の成立と展開─』(東京大学出版会、2009年)、『ハイデッガー「存在と時間」の現在』(共著、南窓社、2007年)、『哲学の歴史』第10巻「危機の時代の哲学」(共著、中央公論新社、2008年)などが、また看護・医療関係の著書では『医療ケアを問いなおす』(ちくま新書、2018年)、『ケアの実践とは何か: 現象学からの質的研究アプローチ』(ナカニシヤ出版、2017年)、論文に「現象学的看護研究とその方法―新たな可能性に向けて」(『看護研究』44(1)、2011年)、「クリティカルケアへの現象学的アプローチ」(『日本クリティカルケア看護学会誌』11(1)、2015年)、「最初で最後、本当に外線その一回きり―透析ケアの現象学試論」(『哲学雑誌』130(802)、2015年)、「現象学はあなたにもきっとおもしろい! 教務主任養成講習会を通して」(『看護教育』57(4)、2016年)、「看護と哲学―看護と現象学の相互関係についての一考察」(『看護研究』49(4)、2016年)などがある。